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風営法(風適法)を超簡単に解説56 「風適法上のモーテル」

 2022/07/13 とある行政書士の日常ブログ 風俗営業と夜の商売 この記事は約 5 分で読めます。 869 Views
らぶほ

ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。

 

今日のテーマは、「風適法上のラブホテル」です。

まずは、おさらいです。

 

風営法の規制対象業種は次のようなものがあります。

■風俗営業【許可制】
 1.接待付き飲食店(キャバクラ、ホストクラブ)
 2.低照度飲食店
 3.区画席飲食店
 4.まあじゃん屋、ぱちんこ屋等
 5.ゲームセンター等

■性風俗関連特殊営業【届出制】
 A.店舗型性風俗特殊営業
  1.個室付浴場(ソープランド)
  2.ファッションヘルス
  3.ストリップ劇場、ヌードスタジオ、のぞき部屋
  4.ラブホテル、モーテル、レンタルルーム ←今日やるのはここ!
  5.アダルトショップ
  6.出会い系喫茶
 B.無店舗型性風俗特殊営業
  1.デリバリーヘルス
  2.アダルトビデオ等通信販売
 C.映像送信型性風俗特殊営業(有料アダルト動画サイト、アダルトライブチャット)
 D.店舗型電話異性紹介営業(テレフォンクラブ)
 E.無店舗型電話異性紹介営業(ツーショットダイヤル)

■特定遊興飲食店営業【許可制】(ナイトクラブ、ショーパブ)

■接客業務受託営業(コンパニオン派遣)

■深夜酒類提供飲食店営業【届出制】(バー、ラウンジ)

■飲食店営業

■興行場営業(ストリップ劇場等に該当しない興行場)

■特定性風俗物品販売等営業(アダルトショップに該当しないアダルト物品販売業)

※青色が既にご説明したものになります

 

前回は「風適法上のラブホテル」を取り扱いました。

今回は「モーテル」について書きたいと思います。

 

風適法施行令には、次のように定められています。

(法第二条第六項第四号の政令で定める施設等)
第三条 法第二条第六項第四号の政令で定める施設は、次に掲げるものとする。
(略)
2 法第二条第六項第四号の政令で定める構造は、前項第二号に掲げる施設(客との面接に適するフロント等において常態として宿泊者名簿の記載、宿泊の料金の受渡し及び客室の鍵の授受を行う施設を除く。)につき、次の各号のいずれかに該当するものとする。
一 客の使用する自動車の車庫(天井(天井のない場合にあつては、屋根)及び二以上の側壁(ついたて、カーテンその他これらに類するものを含む。)を有するものに限るものとし、二以上の自動車を収容することができる車庫にあつては、その客の自動車の駐車の用に供する区画された車庫の部分をいう。以下この項において同じ。)が通常その客の宿泊に供される個室に接続する構造
二 客の使用する自動車の車庫が通常その客の宿泊に供される個室に近接して設けられ、当該個室が当該車庫に面する外壁面又は当該外壁面に隣接する外壁面に出入口を有する構造
三 客が宿泊をする個室がその客の使用する自動車の車庫と当該個室との通路に主として用いられる廊下、階段その他の施設に通ずる出入口を有する構造(前号に該当するものを除く。)

あいかわらず難解なので、超!わかりやすく、端折って解説します。

 

モーテルって言うと、「利用者が車で客室に乗り付けるタイプのホテル」っていうイメージだけど、

フロントなどで、客と面接しながら宿泊者名簿の記載や、宿泊の料金の受渡し、客室の鍵の受け渡しを行うホテル

は、「風適法上のモーテル」ではないですよ。

というのが前提になります。

 

その上で、次の2つのパターンに該当して、

 

【パターン1】「外見上、ラブホテルのように見えるもの」
①~③のどれかに当てはまるもの。
①食堂(調理室を含む。)又はロビーの床面積が、次の表の面積より狭い。

収容人員 食堂の床面積 ロビーの床面積
三十人以下 30㎡ 30㎡
三十一人以上五十人以下 40㎡ 40㎡
五十一人以上 50㎡ 50㎡

②施設の「外周」や「外部から見える位置」に、「休憩の料金」や「休憩利用ができる旨」の表示がある。
③施設に出入りする姿を見えにくくするための目隠し等が設けられている。

【パターン2】「従業員と対面しなくても利用できるもの」
次の④か⑤に当てはまるもの。
④フロントにカーテン等の目隠しを取り付けられている。
⑤客室案内板等の設備を用いて、客が従業者と面接しなくても個室に入ることができる。

 

かつ、次の1~3のどれかに該当する場合は、「風適法上のモーテル」になります。

①屋根と2側面を壁やカーテン等で囲まれた車庫が客室に接続している。

②その客室の出入口がすぐそばにある専用の駐車スペースに面していて、車を降りたらすぐに客室に入れる。

③②のように、車庫と客室の出入口がすぐそばにあるわけではないんだけど、専用の廊下や通路、階段があって、客室につながっている。

 

【というわけで】

まとめると、

利用者が車で直接客室に乗り付けることができて、
外見がラブホテルっぽいか、誰にも会わずに利用することができる

構造のものが「風適法上のモーテル」となります。

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