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普通の株式会社の「株式譲渡の流れ」

株

何をもって「普通」なのか、って話ではありますが・・・・。

今日の話題は、

・日本のほとんどの
・個人的または家族的経営の
・中小規模の
・特段のこだわりを持って定款を作り込んだ、なんてことがない
・株式会社

での、株式譲渡の手続きについて、です。

上場会社や多くの人から出資を募っている会社には当てはまりません。

 

ご注意点を先に言ってしまいますと、

「株式の譲渡をする前に、会社の定款に目を通しましょう」

ということです。

今から説明するのは、

「特に細かい指定をせずに専門家に設立してもらった株式会社」なら、だいたいこうなってるだろう

というのが前提です。

 

①株式譲渡契約
必ずしも契約書を巻く必要はないですが、ご家族間の譲渡でない限り、トラブル防止のために契約書は必要だと思います。
(家族間だと、相続とか、税金の関係とかで、むしろ契約書を作らないといけないのかもしれませんが。)

【重要】
株券発行会社の株式の場合は、譲受人は必ず株券を受け取って下さいね。
株券の発行があるかないかを確認したいときは、会社の定款か登記簿謄本を見ましょう。
株券の発行がある会社は「株券を発行する」と書いています。
(書いていない会社は株券はありません。)

②株式譲渡承認請求
多くの会社の場合、「株式譲渡制限」というルールがあります。
これは、「会社に黙って株式を人に譲ってはダメ」というものです。
「黙って」がダメなので、会社に「株式を譲りたいんだけど・・・」と持ち掛けて下さい。
この持ち掛けのことを「株式譲渡承認請求」と言います。
株式譲渡承認請求ができるのは、「譲渡人」で、原則として「譲受人」はできません。

会社に指定の用紙があれば、その用紙で、指定の用紙がない場合は、とりあえず、
・譲渡人の氏名と住所
・譲渡する株式の種類と数
・譲受人の氏名と住所
・譲受ける株式の種類と数
・譲渡したいから承認して下さい。
というお手紙を書いて下さい。

③譲渡承認の検討
株式譲渡承認請求が来たら、会社はそれを承認するかしないかを決めて、譲渡人に通知をしないといけません。
(ちなみに、放置すると譲渡が承認されたと見なされます。法定で2週間、定款で期間を短縮できる。)
会社の誰がそれを決めるのかは、だいたい定款に書いてあります。(書いていなければ会社法の規定に沿います。)
承認しない場合は、「会社が買い取る」か「会社指定の買取人に買い取らせる」ことになります。
(「株式を手放す」という自由は守られる、ということです。)

④株式名義書換請求
株式譲渡が会社から承認されたら、名義の書換を行います。
これは、
A.株券がない場合は、譲渡人と譲受人が共同で会社に請求する。
B.株券がある場合は、譲受人が単独で株券を会社に提示して請求する。
ということになります。

Aの場合、会社に指定の用紙があれば、その用紙で、指定の用紙がない場合は、とりあえず、
・譲渡人の氏名と住所
・譲受人の氏名と住所
・譲渡する株式の種類と数
・譲渡人、譲受人の押印
・名義を書き換えて下さい。
というお手紙を書いて下さい。

株式名義書換請求をしないと、会社に株主と認めてもらえませんので、注意して下さい。

⑤株主名簿の書換
会社には「株主名簿」がありますから、書換請求を受けて、名簿の内容を書き換えます。

 

ざっと流れを説明しました。

会社によって細かい規定は異なると思いますので、くれぐれもこの記事を鵜吞みにせず、定款を確認して下さいね。

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