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「給料から引く」は当たり前のことではない。

とある行政書士の日常ブログ 労務管理News この記事は約 3 分で読めます。 717 Views
給料明細

「先日の仕事での失敗、給料から弁済金を引いとくから」

「会社がキミのために立て替えて払ったアレ、今月の給料で清算しとくね」

 

 

 

こういう話を聞いてしまうと、アチャ~って感じになります。

 

毎月、お給料は、社会保険料や雇用保険料、住民税や源泉所得税などを引いた残額が振り込まれ(支給され)ます。

社宅に入っている人や、会社が昼食を手配してくれるような場合は、寮費や給食費が引かれるという方もいるでしょう。

 

経営者の方は、こういうことを例に挙げて、「弁済金や立替金を給料から引いて支給すれば計算が簡単だよね」「別に問題ないよね」とか思っておられるかもしれませんが、それ、大間違いです。

訴えられますよ?

 

労働基準法には次のように定められています。

第二十四条(賃金の支払)
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 

まず、「賃金は、その全額を支払わなければならない。」となっています。

これを、「全額払いの原則」と言います。

原則として、使用者は給料から何かを勝手に引いてはいけません。

例外は、
①法律で決まっていること(社会保険料、雇用保険料、住民税、源泉所得税等がこれに当たります。)
②労働組合か労働者代表と「協定書」を交わした内容
については、控除して支払うことができるのです。

だから、勝手に引いちゃだめですよ。

 

注1:欠勤、遅刻、早退等による賃金カットは、労働契約や就業規則に沿うものであれば問題ありません。
注2:先月間違って給料を多く払ってしまったのを、調整するために引くのは問題ありません。(声はかけるべきです。)

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