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「属人的株式」について

 2021/12/17 とある行政書士の日常ブログ 会社設立 この記事は約 3 分で読めます。 775 Views
法律の理解

ブログをお休みしている間に経験したお仕事ですが、株式会社の定款で「属人的株式」に関するものがありました。

 

「属人的株式」というのは・・・・・

会社法
第百九条(株主の平等)
 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。

第百五条(株主の権利)
 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一 剰余金の配当を受ける権利
二 残余財産の分配を受ける権利
三 株主総会における議決権

会社法109条第1項では、株主の権利は、その保有する株式の内容や数に応じて平等であると言っています。
つまり、同じ種類の株式を持っている株主の間では、保有している株式一株の権利が等しく、故にたくさん株式を保有している人がその分だけ権利を主張できる、ということになります。

対して第109条第2項では、株式の平等の「例外」を、次のように言っています。

非公開会社でのみ、「配当」「解散時の分配」「株主総会における議決権」に限り、株主毎に平等でないルールを定款で定めてもよい。

これが「属人的株式」と呼ばれるものです。

 

「属人的株式」なんて言うから、「株式が特別扱いされる」ように感じてしまいますが、特別扱いされるのは「株主」のほうで、例えば、

創業者の山本太郎さんが持つ株式は、配当を受ける権利が1株に付き100倍になるよ

とか

この会社の代表取締役が保有する株式は、株主総会での議決権が1株につき100個あるよ

のようなことができます。

 

ちなみに、上の例で、山本太郎さんが持っていた株を全部誰かに売ってしまった場合、買った人は山本太郎さんではないので、配当は通常の権利しかないということになります。

この点が、「種類株式」との違いになりますね。

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