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パチンコ業界と行政手続きのデジタル化の話

デジタルトランスフォーメーション

年始なので、パチンコ業界のネタで少し真面目な話を一つ。

 

昨年12月の終わり頃に、規制改革推進会議が「当面の規制改革の実施事項」という資料を出しています。

これが一体何なのか、というのは、すみません、長くなりすぎるのでご自身でお調べください。

この中に「デジタル基盤の整備」というのがあって、

「日本はいろーんな分野のデジタル化が遅れてるよね、早くやんなきゃね」

というのが具体的に列挙されている。

その中の「ス 行政手続におけるオンライン利用率を大胆に引き上げる取組の推進」というのがあり、更にその中に、

c 各府省は、令和3年度からオンライン利用率を大胆に引き上げる取組を開始した以下の63 事業(年間手続件数が10 万件以上の行政手続:135 種類を含む)について、規制改革推進会議が示す考え方も踏まえ、短い期間でPDCAを回してオンライン利用率を大胆に引き上げる取組を着実に推進する。

とあり、この取組対象に

「 遊技機の増設、交替その他の変更(警察庁)」

という記述が出てきた。

 

業界に関わりのない方向けにご説明すると、パチンコ店が月に1回から2回くらい「新台入替」とか「新装開店」とかやりますけども、その時はだいたい新しいパチンコ台・パチスロ台をお店に設置して、お客さんに来てくださいねーとアピールするんですが。

この機械の入替には、毎回、

・1週間くらい前に所轄警察署に「入替を認めてね」という申請書を持って行く
・入替の日に、所轄警察署の担当官がお店に来て、申請書の内容と入替の内容に相違がないか、確認する。

ということをしています。

なお、パチンコ台やパチスロ台には、不正がないよう、部品ごとにシリアルナンバーが振ってあり、パチンコ台で3種類、パチスロ台で2~3種類の記号番号で厳格に管理されているので、これに間違いがあってはならないわけなんですが、ずーーーーーーーーーーっと昔から、これを紙の申請書でやってきたんですね。

この作業がお店にとってめちゃくちゃ負担だったんです。

 

作業的負担だけでなく、書類の保管の問題も出てきます。

お店側は、万が一の事態のために、申請書の控えを保管して、自分たちの手続きの正当性を担保する必要がありますが、この書類が年間10~20冊ほど生み出されます。
遊技台の寿命はほとんどのものが1~2年ほどと短命ですが、中には6年近く動くものもある。
となると・・・・かなり膨大な書類の棚が必要になってきます。

ちなみに、新台入替の他に、台が故障したときの部品交換も同じ手続きなので、実際の申請書の数はもっと多いです。

これは、おそらく警察署も同じ。
それどころか、管内すべてのパチンコ店からこの書類が来るので、大きな管轄だと年間100では済まないでしょうね。

 

こういった問題が解消されるのはいいこと・・・・なんだけど、「時すでに遅し」っていう感じもしますね。(昔と違って入替回数もずいぶん減って来てるだろうし)

 

願わくば、店長さん(あるいは書類作成担当者さん)の負担が軽くなるような申請システムであってほしいと思います。

「結局、1台1台の番号を全部手打ちですわ」

では、ちょっとカワイソスギル・・・。

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