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京都市において旅館業許可(簡易宿所含む)で民泊事業を営むのは、もう現実的じゃないな、という話。

バリアフリー

残念ですが、タイトル通りです。

 

誤解なきよう申し上げますと、ここでいう民泊事業とは、

「居住用の物件を転用して行う宿泊事業」

というようなイメージのものです。

また、「絶対にできない」とは申し上げませんが・・・・事業計画が成り立つとは思えません。

 

近年、京都市では2つのルールが変わりました。

1つは、「京都市宿泊施設の建築等に係る地域との調和のための手続要綱」

もう1つは、「京都市建築物等のバリアフリーの促進に関する条例」

です。

 

■京都市宿泊施設の建築等に係る地域との調和のための手続要綱

ルールの変更前(=令和3年4月1日より前)は、原則、旅館業許可申請の20日以上前に標識を設置し、宿泊施設の周辺住民等への説明を行うこととされていました。
ルール変更後は、一部の例外を除いて、旅館業許可申請の50日以上前に標識を設置し、宿泊施設の周辺住民等への説明を行うこととなりました。
事業を計画する者にとって、非常に大きなロスタイムとなります。

(一部の例外)
・一部の例外地域において行う場合
・建物の用途が従前から旅館・ホテル・簡易宿所である場合

パンフレットはこちら

まあ、これだけでは「時間がかかる」というだけで、旅館業の許可を取るのは「現実的じゃない」というのは大げさです。
問題はもう一つのほう。

 

■京都市建築物等のバリアフリーの促進に関する条例

市の条例が改正され、令和3年10月1日に施行されました。
この改正について、超!簡単に説明しますと、

「車いすを使うお客さんが単独で利用できる構造でなければ、旅館業の許可は取れなくなりました」

ということです。

パンフレットはこちら

少し考えて頂ければお分かりになると思いますが、車いすを使わない方が住む家に、車いすを使う方が介助なしで生活できるようにするためには、

・段差をなくす
・段差をなくせないなら、スロープかエレベータを設ける
・通路や扉の幅を、車いすが通ったり回転できるだけの広さに変える
・トイレや浴槽を車いすを使う方が使えるようにする

これくらいのことはしないといけません。

運が良ければちょっとしたリフォームで条件をクリアできるかもしれませんが、多くの場合は大規模なリフォーム、下手をすれば建て替えを検討したほうが良いくらいの工事を要するでしょう。

 

というわけで、京都市で民泊を考える場合、「住宅宿泊事業」制度を用いるのが現実的な方法となるでしょう。

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