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パチンコ屋さんの景品買取所うんちく その4「パチンコ店と景品買取場の関係性」

小窓

元パチンコ店員、元パチンコ店店長、元パチンコ店運営会社の部長という経歴の行政書士である私が、気が向いたときにパチンコ店の裏話的なことを書くコーナーです。

画像は、景品買取所の「小窓」をイメージしております。

 

今回は、「パチンコ店と景品買取場の関係性」について書いていきます。

第2回(こちら→■)では、パチンコやパチスロが賭博にならないように、いろいろな制度設計がなされている、というお話しをしました。

パチンコ店が「お客さんの出玉の数」に応じて賞品(景品のこと)を提供しますが、その提供した賞品を後で自ら買い取ってしまう、つまりは現金化してしまうと、これはもう賭博と同じ結果になってしまいますから、風適法で禁止されています。

また、ほとんどの都道府県では、条例で「営業者は、客に提供した賞品を買い取らせないこと」と規定しており、自ら買い取るだけでなく、他者を使役して買取行為をさせることも禁止しています。
(どういうわけか、大阪府と愛知県だけ、この「買い取らせ禁止」がありません。なぜ?)

 

というわけで、パチンコ店が提供した景品は、世の中の仕組みやパチンコ店側の意思によることなく、あくまでお客さん自らの意思で景品買取所(というリサイクルショップ)で買い取ってもらうというのが、大前提というか、タテマエになっています。

 

かなり多くのパチンコ店において、同じ敷地内、下手をすると同じ建物の中に景品買取所があるのに、

そして、パチンコ店の新規開業の際には、「どうぞここで買取業務をやって下さい」と場所や設備の提供までするのに、

「あくまでお客さん自らの意思で」なんていうのは本当におかしな話ではありますが、

 

このタテマエを堅持するため、パチンコ店では(おそらく)全国的に、日常的に、こんなやり取りをしています。

 

お客様:(たくさん出たからうれしいな。景品に交換しよう。)と、景品カウンターに。

従業員:「特殊景品に交換でいいですか?」

お客様:「はい。」

従業員:「アトマイザー10本と栞2本になります。どうぞ。」

お客様:「ありがとう。買取所どこ?」

従業員:「私はよくわからないのですが、多くのお客様があちらの出口から出て行かれます。」

 

そうです。
パチンコ店側から景品の買取についてアプローチしてはいけないのです。
従業員さんは、そのように指導されています。
(都道府県によって、かなり温度差があるように聞いています。私は某県のとある「接客が素晴らしいお店」で買取所について尋ねたところ、他の接客が素晴らしいのに、この質問だけは素無視されて驚きました。)

パチンコ店が、換金を前提とした行動、例えば、

・景品買取所の場所や、買取スタッフの休憩時間を案内する。
・「アトマイザー」を「2000円景品」と呼ぶ。
・いわゆる「換金率(玉1個がいくらになるのか)」の話をする。
・いわゆる「交換個数(玉何個で1つの特殊景品に交換できるのか)」の話をする。

以上のような行為は、

「換金標榜行為」(商品を換金することを前提にしたり、お客さんに換金を促す行為)

とされ、法律のどこを探しても禁止されていないのですが、禁忌とされています。

 

でも、この禁忌、歴史はたかだか10年かそこらなんですよね。

 

これを上手に表現した漫画があるので、是非ご覧ください。→コチラ

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