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パチンコ屋さんの景品買取所うんちく その12「金景品について」の1

特殊景品

元パチンコ店員、元パチンコ店店長、元パチンコ店運営会社の部長という経歴の行政書士である私が、気が向いたときにパチンコ店の裏話的なことを書くコーナーです。

 

今日のテーマは「金景品について」です。

 

これまでこのブログでは、

パチンコの換金を合法たらしめるため、「三店方式」という大変複雑な仕組みを作っているのだ、というお話(第5回→■)

そして、この「三店方式」を維持するため、いろいろなコストをかけている、というお話(第7回→■)

をしました。

 

三店方式を維持するために、毎日かかる経費として挙げられるのが、

①景品買取所の中で働く人の人件費
②景品卸売業者の運送費用

の二つです。

この二つの経費も、当然パチンコ店が負担しなければなりません。
パチンコ店が負担するということは、お客さんから「取る」ということになります。

昔は、パチンコ店は多かれ少なかれどのお店も儲かっていましたから、この経費負担もどうということはなかったのです。
しかし、業界が冷え込んでくると、「負担が少なければもっとお客さんに還元できる」とか、「もっと利益を得られる」とか、いろいろな理由でこれを何とかしたい、という話になるわけです。
まあ、事業活動なら当然ですよね。

三店方式をやめるのであれば、これらの経費はなくなりますが、合法換金ができなくなるのでそれは選択できません。
では、どのような方法で経費を削減するのか、ということになります。

①景品買取所の中で働く人の人件費

単純に、リストラが行われました。人数を減らしたわけです。
人を減らしすぎて、景品交換所に長い列ができてしまった、なんてこともありました。

こういう時、一般的にはオートメーション(自動化)という手法が検討されますね。
景品交換所を無人化、機械化、自動化すれば、人件費はかからなくなります。

もちろん、この業界でも検討されました。私は、試験運用をしているお店に見に行ったこともあります。
特殊景品を「自動買取機」にセットすると、現金が出てくるというものです。

が、どういうわけか普及しませんでした。
公にはされていませんが、「換金行為を助長する」という理由で認められなかったようです。
公にできるわけがありません。
お客さんが店から持ち帰った後の特殊景品がどうなるかということは、警察は知らないことになっていますので。

②景品卸売業者の運送費用

こちらも、単純に減便が行われました。
ただ、「荷物の量を減らす」か「一度に運べる荷物の量を増やす」かしないと、減便はできません。
運転手さんの確保や車両の買い替え、そもそも大きなトラックを止める場所がお店にあるか、等の問題で、トラックを大きくすることはできません。

だったら、ということで、「特殊景品の大きさを小さくする」という案が選択されました。
荷物の大きさを小さくし、運びやすくすれば、同じトラックに何倍も積むことができますよね。

このような経緯で、全国的に「カード型特殊景品」が導入されていきました。
従来型がこういう感じ↓で、
特殊景品カード型がこういう感じ↓です。特殊景品大きさはクレジットカードと同じ大きさか一回り小さいくらいですが、厚みが1.5~6.0mmと地域によって様々です。

 

 

長くなってしまったので、来週に続きます。

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