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風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もう その5

法律書

ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。

 

風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もうシリーズ、第5回目です。

今日は、

第3 ゲームセンター等の定義について(法第2条第1項第5号関係)

の3回目になります。。

(1回目はこちら→■)

(2回目はこちら→■)

 

3 店舗その他これに類する区画された施設
本号は、「遊技設備を備える店舗その他これに類する区画された施設」において当該遊技設備を用いて客に遊技をさせる営業を対象とする。
したがって、屋外にあるもの等「店舗その他これに類する区画された施設」に当たらない場所において客に遊技をさせる営業は、本号の対象とはならない。
また、本号の対象は、「店舗」及び「店舗に類する区画された施設」であるが、「店舗」に当たらない後者についてのみ令第1条の要件に当たるものを対象外とするものである。

(解説)
「本号」というのは、風適法第2条第1項第5号の営業、つまり「ゲームセンター等の営業」のことです。
ゲームセンターの許可は、「店舗」及び「店舗に類する区画された施設」に遊技設備を置いて客に遊ばせる営業が対象になりますが、ここでは、
「店舗」及び「店舗に類する区画された施設」って何?
という話をしましょう、ということです。
で。
①屋外に遊技設備を置く場合は、「店舗」でも「区画された施設」でもないので、許可の対象になりませんよ
②「ホテル・旅館」「大規模小売店」「遊園地」の一角に設けられたゲームコーナーは許可の対象外とされているけれど、このゲームコーナーが独立した店舗(以下(1)で説明されている)に当たるような場合は、許可の対象になるよ。
ということを言っています。

(1) 店舗
ア 店舗の意義
「店舗」とは、社会通念上一つの営業の単位と言い得る程度に外形的に独立した施設をいい、ゲームセンター、ゲーム喫茶のように法第2条第1項第5号の営業用に設けられた店舗である場合はもとより、飲食店営業、小売業等の営業用に設けられた店舗も、同号の「店舗」に含まれる。
すなわち、社会通念上の「店舗」に遊技設備を備える場合は、風俗営業の許可を要することとなる。
施設が「一つの営業の単位と言い得る程度に外形的に独立」しているとは、看板等の表示、従業者の服装、又は営業時間の独立性等その実態から判断して、一つの営業単位としての独立的性格を有することをいう。
したがって、区画された施設が一個の営業用の家屋である場合には当然に店舗となるが、区画された施設がビルディング等の大規模な建物の内部にある場合でも、この独立的性格を有するときには、店舗に当たる。

(解説)
色々書いていますが、肝心なのは、
看板等の表示、従業者の服装、又は営業時間の独立性等その実態から判断して、一つの営業単位としての独立的性格を有する形であれば、建物の一部で壁等で仕切られていない部分であろうと、それは「店舗」であって、そこに遊技設備を置けば原則として5号営業の許可を要する、
ということです。
簡単に言うと、
イオンモール(大規模小売店)の一角にモーリーファンタジーというゲームコーナーがありますが、これは、イオンの中に独立した「モーリーファンタジーの看板」があったり、そこで働くスタッフはイオンのスタッフの制服とは違う「モーリーファンタジーの制服」を着ていて、イオンモール全体の営業時間とは別に「モーリーファンタジーの営業時間」があり、客観的に見て「モーリーファンタジーは独立した店舗」と考えられるので、「大規模小売店の一角に設けられたゲームコーナー」だけど、5号営業の許可が必要ですよ。
ということになります。

イ風俗営業の許可を要しない扱いとする場合
アによれば、例えば、大きなレストラン等の店舗の片隅に1台の遊技設備を設置する場合にも風俗営業の許可を要することとなるが、この事例のように当該店舗内において占める法第2条第1項第5号の営業としての外形的独立性が著しく小さいものについては、法的規制の必要性が小さいこととなる場合もあると考えられる。
そこで、遊技設備設置部分を含む店舗の1フロアの客の用に供される部分の床面積に対して客の遊技の用に供される部分(店舗でない区画された部分も含む。)の床面積(当該床面積は、客の占めるスペース、遊技設備の種類等を勘案し、遊技設備の直接占める面積のおおむね3倍として計算するものとする。ただし、1台の遊技設備の直接占める面積の3倍が1.5平方メートルに満たないときは、当該遊技設備に係る床面積は1.5平方メートルとして計算するものとする。)が占める割合が10パーセントを超えない場合は、当面問題を生じないかどうかの推移を見守ることとし、風俗営業の許可を要しない扱いとする。
なお、「店舗の1フロア」とは、雑居ビル内の一つのフロアに複数の店舗があり、その中の一つの店舗に遊技設備を設置する場合には、そのフロア全体の床面積ではなく、当該店舗内のみをいう。
また、「客の用に供される部分」には、カウンターやレジの内側等専ら従業者の用に供されている部分や洗面所等当該フロアとは完全に区画されている部分は含まない。

(解説)
レストランの片隅にゲーム機が1台置いてあるような場合、原則としてゲームセンターの許可が必要になるのですが、例外的に、次のような場合は、「当面の間」許可を必要としない扱いとされています。(つまり、将来に渡って許可不要というわけではない。)

「遊技の用に供される部分の床面積」÷「客の用に供される面積」≦0.1

※「遊技の用に供される部分の床面積」=遊技設備の直接占める面積×3(←の計算が1.5㎡より小さいときは1.5㎡と計算する。)
※「客の用に供される面積」=従業員しか入らないスペースやトイレ等を除いて計算する。

(2) 店舗に類する区画された施設
店舗に類する区画された施設において客に遊技をさせる営業は、政令で定める施設において営まれる営業を除き、本号の対象となる。
「店舗に類する区画された施設」とは、いわゆるゲームコーナーのように「店舗」に当たらない区画された施設で、営業行為の行われるものをいい、例えば、旅館、ホテル、ショッピングセンター等の大規模な施設の内部にある区画された施設をいう。
店舗に類する区画された施設については、令第1条で定めるものは、対象から除外される。
令第1条中「当該施設の内部を・・・当該施設の外部から容易に見通すことができるもの」とは、例えば、通常の区画されたゲームコーナーにあっては、通路等に接した面について、
① テーブルの高さ程度以上の部分が開放されているもの
② ガラス張り等で閉鎖されている場合には、当該ガラス等が無色透明でおおい等がなされていないもの
等であって、内部の照明又は構造、設備若しくは物品等が見通しを妨げず、外部から内部のほぼ全体を見通すことができるもの(区画の一部について外部から直接目視によっては見通すことができない場合であっても、例えば、当該部分についてビデオカメラ等で撮影し、その映像を当該区画の接する通路等に設置したモニターにリアルタイムに映し出すことなどにより、外部の一般の者が当該モニター上の映像を通じて当該部分の状況を容易に確認することができるような措置が採られているものを含む。)がこれに該当する。
また、大規模小売店舗内の区画された施設については、大規模小売店舗内の店舗に当たらない区画された施設のうち、小売業の用に供し、又はこれに随伴する施設で、主として小売業部分に来集する顧客が利用するものがこれに当たる。
なお、(1)イの扱いは、区画された施設についても同様である。

(解説)
ここで書かれていることを簡単に説明すると、次の2つのことが書いてあります。
①ゲームコーナーのようなところであっても、原則として許可が必要ですよ。
②許可が要らないとされる「ホテル・旅館」「大規模小売店」「遊園地」の一角に設けられたゲームコーナーでも、ゲームコーナーの外から中が見通せる状況(例えば、背の高いものが置いていないとか、壁が無色透明なガラスなどでできているとか、見通せない部分をビデオカメラ等で撮影し、その様子をモニター等で表示して外部から見えるようにする等)でないと許可不要と認められませんよ。

 

今日はここまで。

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