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(備忘録)民法(物権法)改正① 越境した木の枝

とある行政書士の日常ブログ 備忘録 法改正 この記事は約 3 分で読めます。 1,037 Views
国会

令和3年4月21日に、民法改正法案が可決成立しました。

 

民法改正というと、最近結構な頻度で行われているような気がします。
(法律家として「気がする」というのは如何なものかと思いますが。)

平成29年に債権法の分野で、

平成30年6月には成人年齢について、

平成30年に相続法の分野で、

それぞれ改正がありましたけれど、

 

今回はどんな改正なのか?とてつもなく簡単に説明しますと、

  • 相続の時に、土地の所有者変更登記をしないで放置する、
  • 所有者が転居したのに住所変更登記をするのを忘れる等で、
  • 所有者がわからない土地や
  • 所有者と連絡が取れない土地(=所有者不明土地)がたくさん出てきた。
  • 所有者不明土地は活用されにくく(公共事業、民間活用の邪魔になる)
  • 管理されず放置されやすい(近隣に迷惑がかかりやすい)

ということで、

  • これまで義務でなかった登記手続きを義務化(不動産登記法の改正)
  • 相続等により取得した不動産を国庫帰属させる制度の新設
  • 所有者不明不動産、管理不全不動産、一部共有者不明不動産の管理制度の新設
  • 長期間遺産分割されずに放置されている不動産を法定相続分で遺産分割させてしまう仕組みの新設。
  • 所有者不明土地の存在が隣地の活用の障害になっている場合のライフライン設備設置制度の新設。

というようなことになります。

 

で、本日の本題。

これらの改正の中に、「民法第233条の改正」が含まれておりまして。

(改正前)
  隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

(改正後)
  土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
3 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。
4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

放置された土地の竹木によって悩まされてきた隣人や一部共有者が管理をしやすくなります。

施行日が未定なので、今すぐはできませんが、数年のうちにできるようになります。

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