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民泊と消防、実際にあったトラブル。「火災通報装置」

今日は、私が民泊の事前調査中に体験した「こんなことあるんだな」という問題事例の一つをあげてみようと思います。

 

今回は、マンションの一棟単位での特区民泊、または、旅館建物というパターンです。
頻繁にあるパターンではないですが、
「元々旅館業の許可を持っていた建物を買ったから、許可を取りたい」
「マンションを1棟買った。全室民泊で回したい。」
というお話がたまにあります。

こういう時、「火災通報装置」が登場するようなら、注意して下さい。
私は、これで何回も痛い目に会いました。

火災通報装置

その建物で初めて火災通報装置を設置するというような場面では、消防設備業者さんが注意をしてくれるので、これから言うような失敗はなかなか生じないのです。
しかし、「既に火災通報装置が設置済みの建物を購入した」という場面では、どういうわけか誰もその問題に気がつかないということが起こります。
(実際、私は2回体験しました。)

問題その1「ロムの書き換え」

火災通報装置は、火災が発生すると自動的に消防署へ電話をかけ、装置内の「ROM(ロム)」に録音された音声を再生することで通報します。
この自動再生の音声ですが、
「火事です、火事です。*****(コード番号)、ABC旅館、****(住所)」
というような感じで流れます。
お分かりでしょうか?
施設の名前を変えると、この音声を録音しなおさなければならないのです。
録音は、メーカーさんしかできませんので、やたらと時間がかかります。
録音の手配を忘れ、消防検査が受けられず、許可の手続きが数週間遅れるというのは痛恨の極みです。

 

問題その2「電話回線」

火災通報装置は、火災が発生すると自動的に消防署へ電話をかけることで通報します。
前の建物の所有者さんは、火災通報装置のための電話回線を、NTTに依頼して引いてもらい、毎月のランニングコストを払って維持していたわけです。
もうお分かりですね?
建物を売ってしまったので、当然、前の所有者さんは火災通報装置用の電話回線を解約します。
火災通報装置は電話回線が接続されているように見えます(見た目は)ので、誰も回線が死んでいるとは思わないわけです。
通報試験をしてみて、初めて電話回線が死んでいることに気が付きます。
そこから電話線の手配して・・・・・・こちらも数週間の遅れが出ます。

 

ちなみに私、初めて火災通報装置のトラブルに巻き込まれたときは、この1と2の合わせ技だったので、もうぶっ倒れましたね。

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