宿泊事業と飲食店営業
基本的に「民泊」であれば、利用客の食事は、「施設内のキッチンで自分作る」か「外でご飯を食べてくる」のが普通だと思います。
でも、稀にあるご相談で、
「基本的にはお客さんには自力で何とかしてもらうんだけど、頼まれた時には食事の提供をしたい」
とか
「民泊施設の一部分で、宿泊客に限らず、飲食を提供する店をやりたい」
というのがあります。
このようなご相談の場合、ご相談者様の頭の中にあるのは、
「民泊施設だから、宿泊客が使うためのキッチンがある。これを使って調理すればいい。」
というお考えです。
結論から申し上げますと、このお考えが既にNGです。
飲食物を提供して、その場で食べたり飲んだりさせる営業には、飲食店営業の許可が必要になります。
当然、飲食物の提供をするわけですから、許可の条件は「衛生管理がきちんとできること」が基本になります。
飲食店営業の衛生管理の重要な事項の一つは、「厨房設備の衛生状態を管理する」ことですが・・・・
飲食店営業で使う厨房設備を、民泊の宿泊客が好き勝手に触れる、というのは、衛生状態を管理できているとは言えません。
ですので、民泊施設内で飲食物の提供をする(=飲食店営業の許可を取る)場合は、宿泊客用のキッチンと飲食店営業で使用する厨房を分けて、宿泊客が飲食店営業用の厨房には入れないようにする必要があります。
となると、普通の民泊を考えている方にとっては、収益に見合わない投資が必要になるので、普通は断念することになるのかな、と思いますね。