トレーラーハウスで旅館業の許可は取れるか?②
前回(トレーラーハウスで旅館業の許可は取れるか?①)の続きです。
前回(トレーラーハウスで旅館業の許可は取れるか?①)はこちら。
では、トレーラーハウスのように、建物ではない「何か」に宿泊させる場合はどうなのか?
いや、そもそも、車輪は付いているけれど、トレーラーハウスは本当に建物ではないのか?
というところで、前回のお話は中断していました。
旅館業法では、「施設を設けて」人を宿泊させる営業を旅館業としており、”建物ではない「何か」に宿泊させる”ことも前提としています。
もちろん、どんな「何か」でもいい、ということではありません。
自治体が条例で定める、衛生面を中心とした基準(トイレ、お風呂、洗面、換気、採光、防湿、防虫など)をクリアしていなければなりません。
トレーラーハウスくらいの大きさであれば、窓や換気扇を取り付けることは可能ですし、トイレやお風呂、洗面台などもホテル並みに整えることができます。
(条例や役所のジャッジによりますが、トイレ、お風呂、洗面については、共同で使うものでも可能かもしれません。)
以上のように、基準をクリアすることができるのであれば、トレーラーハウスに宿泊させる営業でも旅館業の許可を取得することはできそうです。
しかし、それよりも大きな問題として「トレーラーハウスと建築基準法の関係」があります。
建築基準法は建築物の基準を定めた法律ですから、すべての建築物は、その用途に応じて、建築基準法に適合していなければなりません。
例えば、生活の根拠とすることを目的とする「戸建住宅」として建てられた建物でも、後からその使用目的を「宿泊施設」に変更するときは、原則として建築基準法に定める宿泊施設としての基準に適合させる必要があります。
ということは、「トレーラーハウスは建築物です」ということなら、これを宿泊施設として使用するときは、建築基準法に適合させなければならない、ということになります。
しかし、トレーラーハウスを建築基準法に適合させるのは、非常に難しいです。
適合させることができない、ということではないのですが、
- トレーラーハウスを建築基準法に適合させるための費用がかなりかかるので、トレーラーハウスの経済的メリットが失われる。
- 建築物として扱われると、不動産の固定資産税が賦課されるため、トレーラーハウスの経済的メリットが失われる。
- 簡単には動かせなくなるので、トレーラーハウスの特性的メリットが失われる。
ということになりますので、わざわざトレーラーハウスを導入する意味がほとんどなくなってしまいます。
逆に、「トレーラーハウスは建築物ではない」ということなら、建築基準法に適合させる必要はない、ということになりますが・・・・。
トレーラーハウスは建築物?建築物ではない?
どちらなのでしょうか?
続きは次回以降に。