消防検査のときに気をつけたいこと その2「避難器具降下地点」
今日の話題は、民泊やホテル・旅館の手続きで、避けては通れない「消防検査」のあるある話、中でも
「避難器具降下地点」
についてのお話です。
避難器具は、戸建住宅を民泊に転用する場合だと、あまり登場しません。
しかし、マンションやアパートを民泊に転用するときにはよく登場します。
火事が起こったら、その建物にいる人は逃げなければなりません。
マンションやアパートは、多くの場合で3階建てよりも高い建物ですから、火事が起これば階段を使って逃げることになるでしょう。
でも、もし自分の部屋から階段までの間に火事の現場があって、炎や煙で階段まで行くことができなかったらどうしたらいいのでしょうか?
もしかしたら、階段そのもので火事が起こっている可能性もあります。
このようなことを想定して、大きな建物では「2方向避難」ができるようになっています。
階段を2つ作れば、それはもう立派な「2方向避難」ということになるのですが、民間の建物だと、普段使いもしない階段を2つも作ることはいろいろな意味で無駄なので、作らなかったりします。
階段が一つしかない建物で「2方向避難」をするには、「避難器具」が必要になります。
避難器具は、たくさんの種類がありますが、代表的なものとしては、
ベランダに設けられた金具にはしごを固定して下りるようなはしご、
ベランダの床面に設置してあって、ふたを開けるとはしごで下の階に下りることができるようになっている避難ハッチ、
建物の外側をゆっくりと降りることのできる緩降機、
等があります。
もちろん、これらの避難器具はめったに使うことはないものです。
だからこそ、忘れてしまうのですが・・・・・
避難器具は総じて、
下に邪魔なものがあると安全に使えない
ものです。
よくあるパターンとしては、
着地地点に自転車が置いてある(←これが一番よくある)とか、
着地地点にエアコンの室外機が置いてあるとか、
等があります。
中でも、私が経験した一番ダメなパターンは、
着地地点が不自然に空いていたから、後から植木を植えちゃった。
でした。
というわけで、避難器具の降下地点には、
こういう標識を貼り、できれば降下地点の地面に白線等で印をつけて、ものを置かない、置かれないようにする必要があります。