風営法(風適法)を超簡単に解説⑥ 「こんな場所では許可が取れません」その1
ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。
今回のテーマは、風俗営業の許可を取りたくても、「こういう場所では許可を取れませんよ」というお話です。
おさらいですが、風俗営業とは次のようなものを言います。
1.接待付き飲食店(キャバクラ、ホストクラブ)
2.低照度飲食店
3.区画席飲食店
4.まあじゃん屋、ぱちんこ屋等
5.ゲームセンター等
「どんな場所だと許可を取ることができるのか」「どんな場所だと許可を取ることができないのか」これを専門用語?では「場所的要件」と言います。
風営法(風適法)の第4条第2項第2号にはこのように書かれています。
2 公安委員会は、前条第一項の許可の申請に係る営業所につき次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、許可をしてはならない。
一 (略)
二 営業所が、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるとき。
都道府県の条例で、「ココではやっちゃだめだよ」という場所を決めていますよ、ということですね。
では、大阪府を例に挙げて見てみましょう。
大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例
第二条(風俗営業の許可に係る制限地域)
法第四条第二項第二号の条例で定める地域は、次に掲げる地域とする。
一 都市計画法第八条第一項第一号に規定する第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び田園住居地域。ただし、第一種住居地域、第二種住居地域及び準住居地域のうち公安委員会規則で定める地域を除く。
二 学校教育法第一条に規定する学校若しくは同法第百三十四条第一項に規定する各種学校のうち主として外国人の幼児、児童、生徒等に対して教育を行うもの、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園、児童福祉法第七条第一項に規定する保育所又は医療法第一条の五第一項に規定する病院若しくは同条第二項に規定する診療所(患者を入院させるための施設を有するものに限る。)の敷地の周囲おおむね百メートル(当該施設の敷地が都市計画法第八条第一項第一号に規定する商業地域にある場合にあっては、当該施設の敷地の周囲おおむね五十メートル)の区域。ただし、公安委員会規則で定める区域を除く。
毎回のことで申し訳ないですが、読んだだけではわからないし、読む気が出ませんね。
ということで、めちゃくちゃ端折ります。
まず、お店の場所の「用途地域」を調べて下さい。
調べるのが面倒だという方は、お店を借りる不動産屋さんに聞いて下さい。
お店の場所が「**地域」なのか分かったと思います。
そこが、「****住居専用地域」だったら即NG、です。
そこが、「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」(住居に専用が付いていないことが重要)の場合は、原則NGですがもっと細かく確認する必要があります。
その場所が主要な道路から25m以内の場所だったり、主要な鉄道の駅から50m以内の場所だと、例外的にOKかもしれません。
(何が主要道路で、何が主要な駅か、大阪府公安委員会規則をご確認下さい。)
「ここまででOKだったから安心」じゃあないんですよ。
次に、近くに「保全対象施設」があるか調べます。
もしあったら(原則)NGです。
「保全対象施設」というのは、
①「学校」「保育園」等の教育施設
②入院設備のある「病院など」
のことを言います。
これらの敷地から原則100m以内(その施設の用途地域が商業地域の場合は50m)にお店がある場合は、NGとなります。
ただ、大阪はいわゆる「キタ」と「ミナミ」という巨大な繁華街を有しています。
このような繁華街の中にも学校や病院はありまして、これを保全するとなると、線引きが難しくなってしまうので、このエリアの中は「保全施設が近くにあっても例外的にOKにします。」ということになっています。
(こちらも、具体的にどこが「キタ」や「ミナミ」を指すのか、大阪府公安委員会規則をご確認下さい。)
次回のブログでは、関西の他府県と比較してみようと思います。(需要があるのかないのかわかりませんが。)