1. TOP
  2. とある行政書士の日常ブログ
  3. 風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もう その9

風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もう その9

法律書

ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。

 

風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もうシリーズ、第9回目です。

今日は、

第5 店舗型性風俗特殊営業の定義について(法第2条第6項関係)

の続きになります。

前回はこちら→■

 

3 ストリップ劇場等(法第2条第6項第3号)

(1)法第2条第6項第3号に規定する興行場(興行場法(昭和23年法律第137号)第1条第1項に規定するもの)は、興行場法の許可を受けたものであることを要件としない。

(解説)
法ではストリップ劇場等について、

「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法第一条第一項に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業」

と定義しています。
ストリップ劇場等を営むためには、興行場の許可を取得する必要がありますが、かと言って、興行場の許可を取得していなくとも、この定義に該当する営業であれば、ストリップ劇場等ということになります。

(2)令第2条中「専らこれらの各号に規定する興行の用に供するもの」とは、当該興行場において上演される興行が「専ら」同条各号に規定する興行であるものをいう。
「専ら」とは、他の営業でも同様であるが、おおむね7割ないし8割程度以上をいう。

(解説)
施行令ではストリップ劇場等について、

(略)・・・興行場は、次の各号に掲げる興行場で、専らこれらの各号に規定する興行の用に供するものとする。
一 ヌードスタジオその他個室を設け、当該個室において、当該個室に在室する客に、その性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態又はその映像を見せる興行の用に供する興行場
二 のぞき劇場その他個室を設け、当該個室の隣室又はこれに類する施設において、当該個室に在室する客に、その性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態又はその映像を見せる興行の用に供する興行場
三 ストリップ劇場その他客席及び舞台を設け、当該舞台において、客に、その性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態又はその姿態及びその映像を見せる興行の用に供する興行場

と定義しています。
まあ早い話が「服を脱いだ姿(またはそういう映像)を個室とか、劇場とかいう形で客に見せる営業」がここで言う「興行場」だということなんですが・・・。
実は、さりげなく、めちゃくちゃ重要な用語説明をしてまして。
風適法の関係では、「専ら」という言葉がよく登場します。
この「もっぱら」の意味は、「だいたい7~8割以上」ですよ、と言っているんですね。
ここでは、例えば、裸の映像作品とそうでない映像作品を時間別に見せる劇場だとすると、裸の映像作品をだいたい7~8割以上流すなら、ストリップ劇場と同じ扱いだよ、ということを言っています。

(3)令第2条各号中「その性的好奇心をそそるため」とは、当該客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるものをいう。

(解説)
ややこしい言い回しをしていますが、「その性的好奇心をそそるため」という言葉は、
常識的に考えて、エッチな気持ちにさせる目的ですよね」
という意味ですよ、ということです。
ちょっと飛躍した話をしますとね、「日本人の常識」なんて言うものは、常に一定ではなくて、時代や社会情勢によって変わるものですよね。
つまり、「社会通念上認められる」というものは、変わるんです。

(4)令第2条各号中「衣服を脱いだ人の姿態」とは、全裸又は半裸等社会通念上公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態をいう。
したがって、例えば、通常の水着を着用した人の姿態は「衣服を脱いだ人の姿態」には当たらない。
この場合に、全裸又は半裸の人の身体の上に、社会通念上人が着用する衣服とは認められないような透明又は半透明の材質により作られた衣装等を着用したとしても、その人の姿態は、「衣服を脱いだ人の姿態」に当たる。
なお、いわゆるブルセラ営業を営む店舗において、来店した女性の少年等が現に着用している下着その他の衣類を客の見ている前で脱いで当該衣類を販売する営業形態(いわゆる生セラ)は、「衣類を脱いだ人の姿態」といえる状況であれば、本号に該当する。

(解説)
「生セラ」なんて言葉があるんですね、勉強になるなぁ。
ここでも出てきます「社会通念上」、「常識的に考えて」という意味です。
「常識的に考えて、人前では着ておかないとダメでしょ、という服を脱いでいる」状態が、「衣服を脱いだ人の姿態」ということやで、と言っています。
だから、普通の水着を着ている姿は、「衣服を脱いだ人の姿態」には当たらないけど、「常識的に考えて、それは服とは言えないよね」というような、透明又は半透明の材質により作られた衣装を着ているのは、服を着ているとは言えないなぁ、ということになります。
「生セラ」についてはよくわかりませんが、下着を売るだけじゃなくて、その服を脱ぐ姿を見せるような営業も、これに当たりますよ、ということ(だと思います。)

(5)令第2条第2号中「これに類する施設」とは、例えば、客の在室する個室とダンサーがいる部屋との間にガラス張りの廊下があることにより、そのダンサーのいる部屋が「隣室」といえないような場合、客の在室する個室の隣が「室」といえないような施設(カーテンで仕切った廊下等)である場合等をいう。

(6)令第2条第3号中「衣服を脱いだ人の姿態又はその姿態及びその映像を見せる」と規定したのは、映像のみを見せるもの(成人映画館)を規制の対象から除く趣旨である。
なお、成人映画館について今後規制の必要が生ずるかどうかは、映画界の自主規制の推移等によることとする。

5と6の解説は要りませんね。そのままです。

 

今回はこれまで。

続きはこちら→■

\ SNSでシェアしよう! /

とりもと行政法務事務所-中小企業の「社外法務部」・身近な法務相談役の注目記事を受け取ろう

法律書

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

とりもと行政法務事務所-中小企業の「社外法務部」・身近な法務相談役の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • 大きな仕事を一つ終えまして。

  • 風営法(風適法)を超簡単に解説④「風営法の規制の対象は?」

  • 風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もう その6

  • 風適法(風営法)の「解釈運用基準」を読もう その2

  • 風営法(風適法)を超簡単に解説53 番外編「結婚・離婚・帰化・転籍に関する変更届」

  • ブログ再開のお知らせ