「就籍」について
一般の方はほとんど聞き覚えのない言葉だと思います。
これは・・・・
日本国籍を持つ人はみんな「戸籍」に記録される、ということに法律上なっています。
しかし、いろいろな事情があって、戸籍がない方がいらっしゃいます。
例えば、出生届を出してもらえなかった、とか、生まれてすぐに捨てられた、とか。
役人の記載漏れ、なんてこともあるらしいですが。
日本人が日本人である唯一の公的な証明が「戸籍」なので、戸籍がないというのは、とても不便・・・・とかそういうレベルの話ではなく、
戸籍がないというだけで、本人は何も悪くないのに、日本人が当たり前に持っている権利を持てない、という理不尽
が生じます。
住民票が持てないから、印鑑登録もできない、ということは重要な契約ができないし、会社の役員にもなれない。
運転免許も持てないし、パスポートも作れない。
いや、もっと大きな問題があります、(少なくても日本人とは)結婚できないし、子供ができても子供の戸籍に自分が親であることを書けない、とかですね。
これではいけないので、戸籍がない方を救済するための手続きがいくつかありますが、その中でも、父母の両方とも誰かわからない場合に、行うのが、家庭裁判所の「就籍許可の審判」を経て、市町村役場に提出する「就籍届」です。
ようは、新たに戸籍を作る、ということですね。
非常に稀なケースとして、記憶を失った身元不明の人物が新たな人生を歩み始めるにあたり、戸籍がないと困るので、(たぶんその人の本来の戸籍があるんだろうけど)新しい戸籍を作った、なんていう事例もありました。