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住宅宿泊事業での「宿泊者の安全確保」について その1「非常照明器具」

ホストと訪日客

住宅宿泊事業では、「宿泊者の安全確保措置」を講じなければならないとされています。

 

これは何も「住宅宿泊事業だけの特別な義務」ではありません。
旅館業の場合、密接に関係する「建築基準法」の定めにより、宿泊者の安全確保が図られています。
また、特区民泊でも同様の措置がとられています。
ただ、特区民泊は1施設に1グループしか宿泊しない前提となっていますので、措置義務の内容は比較的軽微です。

このテーマは、なかなかのボリュームになりますので、一つずつ説明していきます。

 

1つ目の安全確保措置は「非常照明器具」です。
「非常照明器具」とは、停電等で照明が消えてしまったときに、自動的に明かりを点ける設備です。

はじめに、民泊施設全体に非常照明器具を設置する義務があるかないか判断します。
次のアとイの両方とも該当する場合、その民泊施設は非常照明器具を設置する必要はありません。

ア.宿泊室(利用者が寝るための部屋です。)の床面積(壁芯面積)の合計が50㎡以下である。
イ.利用者が滞在している間、家主が不在にならない。(家主同居型住宅宿泊事業)

 

設置する義務があるとわかったら、次は「どこに非常照明器具を設置しないといけないか」ということになります。

1.次の部分には設置する必要はありません。
・外気に開放された通路
・逃げるのに関係ない場所(クローゼット、トイレ、 洗面所 、 浴室など)

2.次のすべてを満たす場所には設置する必要はありません。
A.1階または2階(正確には「避難階、避難階の直下階、避難階の直上階」)であること。
B.1階の場合は部屋から屋外までの道のりが30m以下、2階の場合は20m以下であること。
C.外から光が入る窓が、床面積の1/20以上の大きさであること。

3.床面積が30㎡以下の部屋で、次のいずれかに該当する部屋には設置する必要はありません。
あ.直接地上(屋外)へ出られる。
い.地上(屋外)に出られる通路が外気に開放されている。
う.地上(屋外)に出られる通路に非常照明器具が設置されている。

1~3に該当しない部屋、場所には非常照明器具を設置する必要があります。

 

【判断チャート】
判断チャート

【設置の例】
設置例

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