「過払い金返還請求」の次は「未払い残業代請求」?「未払い残業代を計算するスマホアプリ」とは?!
消費者金融などの「過払い金返還請求」のテレビCMがバンバン流れてきますが、これももうすぐ終焉を迎えます。
グレーゾーン金利の廃止からもうすぐ10年。
過払い金返還請求権の消滅時効にさしかかるわけです。
そうすると、これまでその分野で頑張ってこられた弁護士の先生や司法書士の先生は、次はどうされるのでしょうかね?
どんなお仕事をさがされるのでしょうか?
皆さん、口をそろえて「労働問題」とおっしゃいます。
その「労働問題」のうちの一つの問題が、「残業代の未払い問題」です。
最近は毎日のように、長時間の就業が問題視されている新聞記事を見ます。
電通事件を契機に、行政もより一層の規制、取締りを強化していくものと思われます。
ネットでちょっと検索してみただけでも、多くの「未払いの残業代を取り返す」という趣旨のサイトが出てきます。社労士さんや弁護士さんが運営されているようです。
そういうサイトをいくつか見ていくと、「未払い残業代を計算するスマホアプリ」なるものを見つけることができます。
これは一体・・・・?
社長さんや総務・経理の方がまちがえやすい「残業代」のお話
よくある話ですが、
- ウチはちゃんとタイムカード通りに残業代を計算して払っているから大丈夫。
- 営業職には残業手当40,000円を一律支給しているから大丈夫。
- 管理職に役付手当を払っているから、そもそもいくら働いても残業にならない。
と、安心されている?方を多くお見受けします。
いや、本当にそのお言葉と実態が一致しているなら大丈夫なんですよ?
社長さんや本社の事務方の皆さんのそのお言葉が、現場の実態と一致していないことが、とても多いのです。
例えば、
- タイムカードを押してから残務をしている。(残業をすると怒られるから。)
- 一律で残業手当を支給しているが、実際に何時間働いているかは知らない。
- その人は、本当に管理職なんでしょうか?
というようなことが挙げられます。
退勤のタイムカードを押していても、会社のために働いていれば、それは立派な残業です。
今の時代、携帯電話を持っていない社会人は極めて少ないと思いますので、会社が「外回りの人の退勤時間がわからない」なんていうことは、ただの努力不足です。
そして、一般的には、店長さんや課長さんくらいまでは、労働法でいうところの「管理監督者」ではありませんので、働いた時間だけお給料を払わなければなりません。
社長さん、本当に大丈夫ですか?
「未払い残業代を計算するスマホアプリ」とは?
退職された従業員さんが、会社に残業代を請求しようと思うと、普通は弁護士さんなどの専門家の力を頼るわけですが・・・・・。
頼られた専門家としても、やはり「動かぬ証拠」がないと動きにくいわけです。
そこで登場するのがこの「未払い残業代を計算するスマホアプリ」です。
ちょっと検索してみましょうか。
なかなか面白い名前を付けていますね。
これらの中には、弁護士に相談できる機能を持ったものもあります。
専門家にしてみれば、営業をしてくれて、証拠も確保できる、一石二鳥なアプリです。
アプリですから、スマホの中に入れて常に身につけています。
しかも、GPS機能なんかと連携することで、「何時にどこにいた」ということがハッキリしてしまいますから、タイムカードよりも正確に勤務実態を記録してしまうわけです。
もう一度申し上げますが、もし
- タイムカード打刻後にも仕事をしている実態がある。
- 自己啓発という取り扱いで、実態として強制参加をさせている研修や行事がある。
- 外回りの営業マンの直帰時間を知る努力をしていない。
- 管理職扱いしている課長さんにはタイムカードを打刻させていない。
という事実がある場合、
「社内にはその証拠が残っていなくても、従業員さんが残業の動かぬ証拠をお持ちである可能性がある」
ということです。
予防法務の専門家として申し上げたいこと
お心当たりのある社長様、総務や経理のご担当者様、まずは、実態を把握しましょう。
把握した結果、問題がないのであれば一安心です。
しかし、知りたくなかった事実を知ってしまった場合は、何らかの対策が必要でしょう。
それは「隠す」とか「もみ消す」というようなことではありません。(そんなことをしたら、もっと大きな爆弾を抱えるだけです。)
一安心、という御社も、今後のことを考えましょう。
ヒヤリとしたのであれば、より一層安心して、安定的な事業の運営のため、強固な守りを固めるまたとないチャンスです。
(ヒヤリとしなければ、守りを固める機会を得なかったわけですから。)
「これ以上人件費(残業代)は払えない!」
と、おっしゃる社長様もいらっしゃるかもしれません。
「払えないから払いませんでした。」などという言い訳は通用しませんよね?
でも、少しでも負担を軽減したいというのも真実。
では、現状のルールや仕組み(給料体系や就業規則など)を見直してはいかがでしょうか?
もし、
- どのように対処したらいいかわからない
- 守りを固めるにはどうしたらいい?
- 給料体系や就業規則の見直しのポイントを教えて欲しい
というご質問、ご要望がございましたら、当事務所でご支援させて頂きますので、是非お問い合せ下さい。