風営法(風適法)を超簡単に解説48 「興行場営業(ストリップ劇場等に該当しない興行場)って何?」
ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。
今日の本題「興行場営業(ストリップ劇場等に該当しない興行場)」についてお話する前に、おさらいから入りましょう。
風営法の規制対象業種は次のようなものがあります。
■風俗営業【許可制】
1.接待付き飲食店(キャバクラ、ホストクラブ)
2.低照度飲食店
3.区画席飲食店
4.まあじゃん屋、ぱちんこ屋等
5.ゲームセンター等
■性風俗関連特殊営業【届出制】
A.店舗型性風俗特殊営業
1.個室付浴場(ソープランド)
2.ファッションヘルス
3.ストリップ劇場、ヌードスタジオ、のぞき部屋
4.ラブホテル、モーテル、レンタルルーム
5.アダルトショップ
6.出会い系喫茶
B.無店舗型性風俗特殊営業
1.デリバリーヘルス
2.アダルトビデオ等通信販売
C.映像送信型性風俗特殊営業(有料アダルト動画サイト、アダルトライブチャット)
D.店舗型電話異性紹介営業(テレフォンクラブ)
E.無店舗型電話異性紹介営業(ツーショットダイヤル)
■特定遊興飲食店営業【許可制】(ナイトクラブ、ショーパブ)
■接客業務受託営業(コンパニオン派遣)
■深夜酒類提供飲食店営業【届出制】(バー、ラウンジ)
■飲食店営業
■興行場営業(ストリップ劇場等に該当しない興行場)←今日やるのはここ!
■特定性風俗物品販売等営業(アダルトショップに該当しないアダルト物品販売業)
※青色が既にご説明したものになります。
風営法(風適法)で「興行場営業」と言えば、まず、
ストリップ劇場、ヌードスタジオ、のぞき部屋
何かを思い浮かべまして、これは、「法第2条第6項第3号の営業」と呼ばれ、
専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行等を行う興行場として政令で定めるものを経営する営業
と定義されています。
ですから当然、「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行等を行わない」興行場があるわけです。
当たり前と言えば当たり前すぎる話ですが、映画館や劇場、音楽堂、野球場などがこれに当たります。
(ちなみに興行場法の許可が必要です。)
さて、ストリップ劇場が社会に大きな悪影響を与えるような興行を行った場合、当然、警察は取り締まりますよね。
では、ストリップ劇場ではない普通の劇場が、社会に大きな悪影響を与えるような興行を行った場合、警察は取り締まらないのでしょうか?
これを警察が取り締まらないと、世の中的には困ったことになりそうです。
なので、警察に取り締まる根拠を与えてあげる必要がありそうです。
それが、風適法第35条になります。
(興行場営業の規制)
第三十五条 公安委員会は、興行場営業(第二条第六項第三号の営業を除く。第三十八条第二項において同じ。)を営む者又はその代理人等が、当該営業に関し、刑法第百七十四条若しくは第百七十五条の罪又は児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第七条第二項から第八項までの罪を犯した場合においては、当該営業を営む者に対し、当該施設を用いて営む興行場営業について、六月を超えない範囲内で期間を定めて営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
日本語で書いてあるのは間違いないんですが、全然意味が分からないと思うので、わかりやすい日本語に翻訳しますね。
ストリップ劇場とか、ヌードスタジオとか、のぞき部屋みたいなエッチな興行場ではない、普通の興行場が、
営業として
公然とわいせつな行為をしたり、
わいせつな文書、図画、映像を頒布したり、
見せたり、
児童ポルノを作ったり、所持したり、見せたり
したとき、警察は、6か月以内の範囲で営業停止命令を出すことができる。
というわけで、一般の劇場なども(通常あり得ないことではありますが)風適法(風営法)の規制対象になっています。