風営法（風適法）を超簡単に解説43　番外編「風適法解釈運用基準はなんだかおもしろい」

ご注意：「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。

今日は、いつもの流れからちょっと脱線しまして・・・・

「風適法解釈運用基準」というものについて、少しお話しようと思います。

日本の国には「憲法」っていう、簡単に言うと「国の基本的なことが定めてある最強のルール」があって、

その下に、細かいことを決めた「法律」という「ルール」を置いています。

憲法は最強のルールなので、そう簡単には変えられない仕組みですが、法律は「みんなで話し合って、変えたり、やめたり、新しいのを作ったり」する仕組みになっています。

とは言え法律も、簡単に変えられるものでもない（国会開いて議論して決議しないといけない）ので、法律に書ききれなかった細かいことを、

「施行令」とか「施行規則」という「補足説明書」みたいなもの

で決めています。

風適法も同じ仕組みなのですが、風適法が扱っているものがどうにも特殊なものなので、どうしても「令」や「規則」でもまだ説明しきれない。

そういう、説明しきれないものを「風適法解釈運用基準」という「通達」で説明しています。

これが、読み込んでみると結構面白い。

全部で106ページあるので、なかなかの量なのですが・・・・・

適当にピックアップしてみますと、例えば、

ラブホテルの関係で、

令第３条第１項第２号ロ中「休憩の料金の表示その他の当該施設を休憩のために利用することができる旨の表示」とは、当該施設を時間単位で利用させるなど、短時間利用ができることが分かるような表示をいう。典型的には、「休憩」、「レスト」、「サービスタイム」等の文字やその料金を表示するものがこれに該当する。また、例えば、時間と料金の表示のみがある場合でも当該施設が短時間利用ができることが分かる場合には、この表示に該当する。料金が表示されていない場合でも、「休憩」等の文字が書かれており、表示内容から当該施設の短時間利用ができることが分かるときには、この表示に該当する。
また、表示は、典型的には施設の出入口に掲げられた看板、垂れ幕、ネオンサイン、電光掲示板等をいい、ビラ等にあっても、これが建物の外壁に貼られることにより、施設の外部の通行人の目に留まる状態にある場合には、表示に該当することになる。

みたいなことが書いてあったり、あるいは、

令第３条第３項第１号イ中「専ら異性を同伴する客の性的好奇心に応ずるため設けられた設備」とは、例えば、ガラス張り等になっていて客室の中から内部を見ることのできる浴室、加虐・被虐嗜好（以下「ＳＭ」という。）用の設備、横臥している人の姿態を撮影することのできるビデオカメラ等がこれに当たる。

なんてことを、かなり真面目な文体で書いてある。他にも、

６　出会い系喫茶営業（法第２条第６項第６号）
(1)令第５条に規定する営業には、いわゆる出会い系喫茶営業が該当するが、これは、店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際（会話を含む。）を希望する者に対し、
① 当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は
② 当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供すること
により異性を紹介する営業をいう。

などと、「出会い系喫茶の営業形態を、言葉で表現するとこうなるのか」と感心してしまうような表記もある。

ちなみに、風適法の世界では「専ら」という言葉が繰り返し使われますが、これは・・・・・簡単に言うと「だいたい７～８割」というアバウトな意味になります。

暇なら、本当に暇なら「風適法解釈運用基準」で検索してみて下さい。