契約書の「ココに気をつける」を超簡単に解説④「目的条項」

ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。
契約書を作ったり、内容をよく読んだりするときの注意点を説明するシリーズの第4回目のテーマはこちら。
「契約書の目的条項」
です。
契約書の目的条項は、だいたい第1条にあります。
(契約書の書き方に決まりはないので、第1条が別のものである場合や、別の場所に目的が記載されている場合もあります。)
目的条項は、その契約書を交わすことになった主たる約束ごとを明確にするものです。
例えばこんな感じです。
第1条(売買の合意)
甲は、乙に対し、後記物件の表示記載の土地を乙に売り渡し、乙はこれを買い受ける。
この契約書の一番大事な約束は、「甲さんは自分の土地を乙さんに売る約束をし、乙さんはこの土地を買う約束をしたよ」ということですから、これをはっきりと書きます。
他にも、
第1条(制作委託)
甲は、乙に対し、イラストの制作業務を委託し、乙はこれを受託する。
第1条(目的)
甲は、甲の事業に関わる貨物の運送及びこれに附帯する業務を、本契約の定めるところにより乙に委託し、乙はこれを受託する。
のような例もあります。
これまではシンプルな例でしたが、もっと凝った?例で言うと、
第1条(目的)
甲および乙は、甲・乙間の取引が相互の信頼に基礎を置くものであることを認識するとともに、乙は甲の所有に係る貨物を、甲の指定する場所へ迅速かつ安全確実に輸送する業務を有償にて引き受ける。
第1条(業務の委託)
甲は、XXにおいて、XX年X月X日から同年XX月XX日まで開催される「XX展示会」に甲の商品の宣伝を行う施設を設置し、同施設内における展示や集客活動を実施するに当たり、乙に対し、以下の各号記載の業務を委託し、乙はこれを受託する。
(1) ・・・・・・・・・・・・・
(2) ・・・・・・・・・・・・・
というような例もあります。
個人的には、契約書は可能な限りシンプルな表現で作るのが良いと考えていますので、上の2例の下線部は、別の場所(前文や別の条項)に持って行きます。
(そもそも必要か?と思ったりもします。)