契約書の「ココに気をつける」を超簡単に解説③「契約書の前文」

ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。
契約書を作ったり、内容をよく読んだりするときの注意点を説明するシリーズの第3回目のテーマはこちら。
「契約書の前文」
です。
契約書の前文というのは、タイトルのすぐ下にある部分で、だいたい、
**(以下「甲」という)と、△△(以下「乙」という)とは、商品の売買について、次の通り契約を締結する。
みたいな感じの一文を言います。
前文についての注意事項は次のような点です。
1.契約の当事者をはっきりさせる。
「誰と誰が」つまり、「主語」にあたる部分ですね、ここをしっかり表現します。
もし、この契約書が「たくさんの人と契約する」目的なら、契約の都度ここに名前を入れるのは大変ですよね。
そんな時は、いきなり「甲と乙は」とか「貸主と借主は」から始めても問題ありません。
契約書の一番初めか一番最後に、「甲は誰々のことですよ、乙は誰々のことですよ」という表記があれば十分有効です。
2.結論をしっかり書く。
「締結した」「約した」「契約した」など、結局のところ当事者が「どうした」のか、はっきりさせましょう。
ここでは契約書のお話をしているので、契約を結んだこと、約束をしたことがわかるように書けば問題ありません。
3.契約の内容をざっくり簡潔に書く。
詳しいことは前文の下に続く「第1条」から書いていくわけですから、ここに詳しく書く必要はありません。
(もちろん、ここに詳しく書くのはNGではありません。場合によっては前文をガッツリ書くこともあります。しかし、それは特殊なケースです。)
どんな契約なのか、わかればいいです。
例文をいくつか載せておきます。
○○(以下甲という)と△△(以下乙という)とは、□□(以下丙という)及び◇◇(以下丁という)から受託した業務を乙に委託することについて、次の通り業務委託契約を締結する。
甲と乙は、甲の事業に関わる貨物の運送業務に関し、その基本的条件を定めるため、以下のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。
○○(以下「甲」という。)と△△(以下「乙」という。)とは、甲の取り扱う商品の売買について、次のとおり契約を締結する。