建設現場におけるゴミの処理の責任と方法
お客様から問い合わせがあったので。
例のごとく、誤解を恐れず、わかりやすいように細部を端折って説明します。(ので、自分で確認して下さいね。)
基本的な考え方
- ゴミの適正処理をする責任は「元請業者」にある。
- (例外に該当しない限り)ゴミを運ぶには許可が必要。(ゴミの積み地、下ろし地両方の自治体の許可)
【1つ目の例外】
建設現場から出たゴミを、元請業者自らが、ゴミ処理場までゴミを運ぶ。(この場合は許可不要。)
よくある間違い
「元請業者が工事を下請業者に委託したのだから、そこで出たゴミの処理は下請業者が責任をもってしなければならない。」
→これは間違い。
工事は下請業者が責任をもってやらないといけないが、ゴミの処理は元請業者が責任をもってやらないといけない。
正しい方法の例
- (産廃収集運搬業の許可があろうがなかろうが)元請業者が自らゴミ処理場に運ぶ。
- 元請業者が許可のある産廃収集運搬業者に依頼してゴミ処理場に運んでもらう。
- 産廃収集運搬業の許可を有している下請業者と工事下請契約とは別にゴミの運搬契約を締結して、下請業者がゴミ処理場に運ぶ。
- 下記「2つ目の例外」に該当する方法。
間違った方法の例
- 産廃収集運搬業の許可がない下請業者がゴミ処理場に運ぶ。
- ゴミの運搬契約なしに、産廃収集運搬業の許可がある下請業者がゴミ処理場に運ぶ。
- (産廃収集運搬業の許可があろうがなかろうが)下請業者が許可のある産廃収集運搬業者に依頼してゴミ処理場に運んでもらう。
【2つ目の例外】
次のすべてを満たす場合は、産廃収集運搬業の許可がない下請業者がゴミを運ぶことが認められる。
1.新築・増築・解体工事ではない建設工事(維持修繕工事、瑕疵補修工事などであること)であること。
※解体工事は構造耐力上主要な部分の解体である場合が該当する。
2.元請における請負金額が500万円以下の工事であること。
3.特別管理産業廃棄物(飛散性のアスベストなど)が発生しないこと。
4.1回に運搬する廃棄物は1㎥以下の容量であること。
5.下請業者が受注した工事から発生した廃棄物のみが対象であること。
※同じ現場の他の下請け業者が排出した廃棄物を運搬することはできない。
6.運搬の途中で積替、保管を行わないこと。
※下請業者の事務所等で一旦保管し積替えすることはできない。
7.元請業者が手配したゴミ処理場等(建設現場と同一の県または隣接する県に限る)へ運搬すること。
8.下請業者と交わす工事請負契約に、下請業者がゴミを運搬することを定めた内容を含むこと。(個別の工事ごとに、必要事項を記載した紙面を取交わしていること。)
9.運搬時には、上記契約書の写しを携帯すること。
10.運搬時には、マニフェストを携帯し、下請業者が処理業者に対して手渡すこと。
11.「産業廃棄物収集運搬車」「下請業者名」を車両に表示すること。
7の「元請業者が手配したゴミ処理場等」
Ⅰ:元請業者の事務所に併設された保管場所
Ⅱ:下請業者の敷地の一部を元請業者が賃貸した場所
Ⅲ:元請業者が直接契約する処分業者の処分施設(積替保管業者の積替保管施設)