中古の電気製品(家電・自動車部品・パチンコ台など)の輸出について
「中古の電気製品を国内で安く仕入れて、外国に輸出すれば儲かるのでは?」
商売としては良い発想だと思いますが、法的にはどうなんでしょうか?
想像に容易いですが、ここにも規制があります。
規制と言っても、ひとからげに輸出できませんよ、ということではありません。
輸出できるもの、できないものを理解して、きちんと手続きを踏むことが重要です。
何故「中古の電気製品(家電・自動車部品・パチンコ台など)の輸出を規制」*1しているのでしょうか?
その理由は、ズバリ「ゴミの問題」です。
ゴミの処理については、どの国も多かれ少なかれ頭を悩ませる問題で、人類の将来や環境の課題として非常に重要です。
ですから、「国内で生じたゴミは、できる限りその国内で処理する」という国際ルールがあります。
かつて、使わなくなった家電製品を、人件費が安く、廃棄物の規制が緩い地域に大量に輸出する事件がありました。
現地に運び出された家電製品は、高価で売却できる一部の部品や成分だけを取り出され、大部分が野や山に放置されました。
放置された大量のゴミは、土壌を汚染し、水質を汚濁し、火災の発生により有害な物質をまき散らしました。
こういった事件を再発させないため、輸出の際には税関の厳しいチェックがあります。*2
「なるほど、でも、私が輸出したいのはゴミじゃないから関係ないですよね。」と思いますよね。
ところがです。
中古の電気製品というのは、その見た目から、ゴミと区別がつきません。
私が使う予定もないのにいつまでも大事にしまっている良さげな紙袋と同じく、見る人が見ればゴミと変わらない。
税関のチェックに対して、何の主張もしなければ、「これはゴミだからダメー」と言われてしまうかもしれません。
そうならないために、「自分の輸出するものはゴミではなく商品である」ということを、手続きに則って、客観的証左によって積極的に主張する必要が出てくるわけですが・・・。
初めての方にはなかなかに難しい分野かと思います。
当事務所でご対応可能ですので、ご連絡下さい。
【補足】
*1:ゴミの輸出を規制しているので、中古家電だけでなく、ゴミそのものも規制しています。また、ゴミ以外の規制品目もありますので、よく確認して下さい。
*2:税関さんがゴミ輸出のチェックばかりしているように書いてしまいましたが、当然そんなわけありません。誤解しないで下さい。