トレーラーハウスで旅館業の許可は取れるか?①
上の画像は、かなりかわいい感じのトレーラーハウスなので、実際にはこういうのではないのですが。
トレーラーハウスというのは、大きな荷物を運ぶ牽引車の、あのトレーラーの後ろの荷台部分と言ったらいいのでしょうか。
この画像のようなものの中を、目的に応じて人が居住したり仕事するなどできるように整えたものを言います。
個人用の(日本ではあまりお目にかかれませんが)トレーラーハウスというと
こんな感じです。
このトレーラーハウスをずらーっとならべて、ホテル等の旅館業の許可を取得することはできるか?という疑問です。
実際にはこんな感じで並べることになります。
パッと見た感じでは、家が並んでいるようにしか見えませんが、よく見ると居住部分が宙に浮いたような感じになっていますよね?
車輪が居住部分を支えていますから、居住部分が地面に直接接していないわけです。
さて、本題の件ですが・・・・答えは「地域によっては可能」です。
トレーラーハウスで旅館業の許可が取れるなら、メリットは多いように思います。
例えば、
- 不動産固定資産税がかからない。
- 建築コストが安い。
- いざとなれば移動できる。
このようなことが挙げられます。
旅館業法は、他法令との関係が強い法律です。
例えば、消防法がそうです。
皆さんの家や職場のように、1年365日(は言いすぎですが)、毎日同じ建物で生活をする、仕事をしているのであれば、万が一の火事が起こっても、どこへ逃げればいいのか瞬時にわかると思います。
しかし、その日たった1日その部屋で寝泊まりをする人は、火事が起こってもどこへ逃げたらいいかわかりません。必然的に逃げ遅れます。
そうならないよう、旅館やホテル等は、利用客が火事が起こったことをできるだけ早く知ることができるよう、どこへ逃げたらいいかわかるよう設備を設ける等、一般の住宅や事務所よりも厳しい規制を設けています。
他に関係性が強い法律の例として「建築基準法」があります。
その建物が、使用する目的に応じて、安全に使用できるだけの構造や設備を有しているか、というようなことを規定している法律です。
建築基準法は大変に専門的で、規制が広範に及びますので、「気が向いたときに書いている程度のブログ」では説明しきれません。
ほんの一例だけご紹介すると、非常時に建物の利用者が安全に逃げられるか考えると、階段の「幅」や「一段毎の踏み場の大きさ、高さ」が非常に重要な要素になってきますよね?
安全性優先のホテルや旅館と、狭い土地を有効に使わなければいけない戸建住宅では、階段の幅や一段毎の大きさや高さのルールが同じでいいわけがありません。
建築基準法に適合している建物でなければ、旅館やホテルに限らず、使用してはいけないということになります。
では、トレーラーハウスのように、建物ではない「何か」に宿泊させる場合はどうなのか?
いや、そもそも、車輪は付いているけれど、トレーラーハウスは本当に建物ではないのか?
このあたりがポイントになります。
続きは次回以降に。