長時間労働に対する監督指導の体制が強化されています
最近の長時間労働事件の捜査体制
これまで、大企業の長時間労働を捜査してきたのは、東京、大阪両労働局の通称「かとく」と呼ばれる「過重労働撲滅特別対策班」です。
例の「電通事件」も、この「かとく」が捜査しました。
厚生労働省は、労働基準監督署の立ち入り基準について、これまで残業時間100時間超/月としていたものを、2016年4月より80時間超/月に引き下げをしました。
これによって、立ち入り調査の対象となる事業所が2万件へ、引き下げ前の倍になったと言われています。
これに対応するため、厚生労働省はすべての都道府県の労働局に、新たに「過重労働特別監督監理官(かとく監理官)」を配置。
これまで手が回りにくかった、地域の問題事業所の捜査を支援し、現在(2017年1月9日)2件の書類送検に結び付けています。
かとく監理官の捜査支援により書類送検に結びついた例
福井県の事例
福井労働局管内の大野労基署は2016年11月下旬、外国人技能実習生約30人に対し、2015年10月~16年2月までの間に最大で月約140時間の時間外労働をさせたとして、労基法違反の疑いで同県勝山市の縫製会社と関連5社、実質上の経営者を書類送検しました。
鳥取県の事例
鳥取労働基準監督署は、外国人技能実習生8人に対して違法な長時間労働をさせるなどしたとして、県内のシャツ製造会社と代表取締役を2016年9月に同法違反で書類送検しました。
今後、違法に長い労働時間・労働環境の摘発は、大企業だけではなさそうです
厚生労働省は、捜査組織の強化をもって、ますます違法残業に厳しい対応をしてくることが予想されます。
経営者の皆さん、「対象は大企業だけではない」ということをご認識下さい。
自分の会社は大丈夫か点検して欲しい、社内体制の見直し、従業員様との関係の見直しをしたい等、ご心配ごとがございましたら、予防法務の専門家、とりもと行政法務事務所が解決のご支援致します。