出向と転籍
最近、出向と転籍についてご相談を受けたので、ちょっとこれについて書いてみようと思います。
「出向」というのは俗っぽい言い方になります。
正しく(?)は、「在籍出向」という言い方ではないかと。
「今働いている会社に籍を置いたまま、別の会社で働く」
こういう状態、または、こういう人事異動の命令のことを「在籍出向」とか、単に「出向」とか言います。
在籍出向の場合、
①従業員Aさんと、これまでの雇用主である株式会社Bとの雇用関係はそのまま。
②従業員Aさんは、新しい職場である株式会社Cとも新たな雇用関係を結ぶ。
③株式会社Bと株式会社Cの間で、従業員Aさんの働き方や費用の負担等について契約(出向契約)を結ぶ。
ということになります。
これに対して「転籍」は、
「別の会社で会働くんだけど、今まで働いてきた会社には戻る籍がない」
こういう状態、または、こういう人事異動の命令のことで、「転籍出向」とか、単に「転籍」とか言います。
転籍出向の場合、
①従業員Aさんと、これまでの雇用主である株式会社Bとの雇用関係は終了。
②従業員Aさんは、新しい職場である株式会社Cとだけ新たな雇用関係を結ぶ。
③株式会社Bと株式会社Cの間で、従業員Aさんの働き方や費用の負担等について契約(出向契約)を結ぶ。
ということになります。
書類作成を仕事としている者から言わせれば、転籍出向のほうが準備する書類は簡単で楽チン。在籍出向のほうが書類がややこしい。
その書類にハンコを押させる人の立場で言えば、在籍出向のほうがハンコを押させやすく、転籍出向のほうがハンコを押させにくい。
そんな感じです。