消防検査のときに気をつけたいこと その1「非常照明器具」
今日の話題は、民泊やホテル・旅館の手続きで、避けては通れない「消防検査」のあるある話、中でも
「非常照明器具」
についてのお話です。
非常照明器具というのは、停電状態になると自動的に点灯する照明器具です。
例えば、
こういうのや、
こういうの、
古いタイプだとこういうのもありますし、
屋外の階段だとこういうものが設置されている場合もありますが、これらは全部、非常照明設備です。
夜間に地震が起こると、停電してどこへ逃げたらいいかわからなくなります。
また、火災が起こっても停電するんですよ、配線が焼けてしまうから。
真っ暗な中で逃げ道を探し、足元が見えない中で歩いていくのは非常に危険で、しかも、時間がかかります。
だから、停電時に自動的に点灯して、安全に逃げられるように、建物の用途に応じて、法令で設置が義務付けられています。
さて、これらの非常照明設備ですが、通常時は点灯しません。
(通常時もスイッチ操作で点灯させることができるものもあります。)
点灯していない間は、バッテリーを充電しています。
そして、電気の供給が切れると、自動的にバッテリーの力で点灯するわけです。
ここからが本題。
「これまで空き家だった」とか、「民泊をするために購入(賃借)した」という物件で、民泊の準備を進めているような場合。
当然、物件には誰も住んでいないので、無駄な電気を使うのはもったいない。
だから、ブレーカーのスイッチをオフにして、建物内の電気を切ってしまう。
まあ、普通の考え方ですよね。
ブレーカーを切っているということは、非常照明設備に電力が供給されていないので、バッテリーは空っぽです。
バッテリーが空っぽの状態で消防検査を受けると、当然ですが、点灯しませんので、
「暗いと逃げられないので不適」
ということになります。
非常照明設備が正常に稼働(=停電すると点灯する)ためには、数時間の充電が必要になりますから、少なくても消防検査の前日には、ブレーカースイッチを戻しておきたいですね。