パチンコ屋さん時代の思い出 その6
元パチンコ店員、元パチンコ店店長、元パチンコ店運営会社の部長という経歴の行政書士である私が、気が向いたときにパチンコ店の裏話的なことを書くコーナーです。
前回は、パチンコ店のスタッフってどんな仕事?という話をしましたが、今回はその続きです。
当時、とても重要なスタッフの業務に「統計」と呼ばれるお仕事がありました。
(この呼び方は、この会社のでの名前で、他の会社では別の呼び方をしているのだと思います。「頭取り」という呼び方のほうがメジャーかな?)
「統計」「頭取り」とは、自店舗と競合店の来店者数を数える仕事です。
毎日、開店直後(10時)から21時まで6回数えます。
郊外店の競合域は広いので、すべての競合店を回ることはできない(現実的ではない)のですが、駅前店の競合店はすべて同じ駅の周りにあるので、8~9店舗回ることになります。
1回の統計で、だいたい40分~1時間ほどかかりまして、その間、通常業務から離れられるのですが・・・。
まあこれがうれしかったですね、この時間はドル箱を上げ下げ運びしなくて良かったのでね。
さて、この「統計」「頭取り」という仕事、同じ商圏内のすべてのパチンコ店が、それぞれに、お互いの人数を数えあうという、非効率極まりないことをしていました。
駅前9店舗の商圏では、9店舗がそれぞれに9店舗の人数を数えているという・・・・。
これは、この業界の閉鎖性をの表れです。
当時、競合店のスタッフ同士が交流を持つことは「暗黙の禁忌」でした。
情報が流出することを恐れて、そのようなことを良しとしませんでしたね。
ある従業員の奥さんが、「他のパチンコ店のスタッフだというだけで、昇格選考から外される」という、恐ろしい閉鎖性を持っていました。
また、競合店を同業者として信頼していませんでしたから、「数えればわかってしまうような情報」にもかかわらず、「お互いに公開しあおう」というようにはなりませんでした。
今はどうなんでしょうか?
あるサービスに加盟することで、インターネットを使って、全国どこのお店の人数(稼働状況)でも見ることができるシステムが普及しているそうです。
要するに、自分のお店の情報を公開することで、他のお店の情報を見ることができるという、お互い様、的なシステムです。
だって、「数えればわかってしまうような情報」は、秘密じゃないですもの。
このシステム、私の在職中の2010年ころからあって、営業さんが頑張って回っていらしたのですが、普及するまで10年かかったんですね。
技術が進めば人の心も変わるってもんです。