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パチンコ屋さん時代の思い出 その5

ドル箱

元パチンコ店員、元パチンコ店店長、元パチンコ店運営会社の部長という経歴の行政書士である私が、気が向いたときにパチンコ店の裏話的なことを書くコーナーです。

 

大学を卒業してパチンコ店を運営する会社に入社したわけですが、大卒だから、新卒だからといって、他の社員と違う扱い、例えば「幹部候補」みたいな扱いをされたわけではありませんで、与えられた役割は普通の「パチンコ店のスタッフ」でした。

「パチンコ店のスタッフ」というのはどんな仕事なのか、皆さん、想像できるでしょうか?

 

基本的には接客業です。

商品が「パチンコという遊び」ということを除けば、喫茶店やファミレスのスタッフみたいなものです。

お客さんのご要望を聞いて、身の回りのお世話をして、コーヒーや料理の代わりにパチンコを楽しんでもらい、できるだけ機嫌よく帰ってもらう、という感じです。

だから、テーブル拭いたり、パチンコ台を掃除したり、灰皿をきれいにしたり、トイレ掃除したり、お客さんと話したり、お会計したり、そういう感じです。

 

と、言っても。

どんな商売でも「他の商売との共通点」と「この商売ならではの特異点」があります。

その商売ならではの特性によって生じる、他の商売にはないお仕事があると思います。

 

当時、パチンコ店の店員に求められるお仕事の一つに、

「ドル箱運び」

がありました。

 

お客さんが出した玉を、玉計数機の場所まで運んで計数する、という仕事です。

「ドル箱」というのは、玉を入れる箱の俗称です。

ドル箱には、いくつかの種類がありました。

簡単に言うと「玉がだいたい何個入るか」という違いです。

入る個数によって「2000個箱」とか「4000個箱」とかいう言い方をします。

 

最近は、全部のパチンコ台に玉計数機が取り付けられた「各台計数」というものがありまして、これだと玉を運ぶ必要はおろか、ドル箱さえ不要で(出た玉を台から直接数えてしまうので、玉をドル箱に入れる必要がない。)、こういったお店にはドル箱がありません。

各台計数のお店でない普通のお店では、最近は1800個箱や1500個箱が主流だと思います。

 

しかし、私が入社した頃は、3000個箱や4000個箱を使うのがトレンドで、私が配属されたお店もこれらの箱を使っていました。

 

そうすると、お客さんから「もう帰る」と言われると、ドル箱を3~4箱くらい運ぶことになります。

先週「パチンコパチスロの雑学 その1」で書いたように(この説明のために書いたのですが)、

パチンコ玉は、1個だいたい5.5g

ですから、3000個箱で1箱16.5kg、4000個箱で1箱22kg、これを3箱、4箱運ぶとなると、

60kgくらいのものを運ぶわけです。

 

で、

これを素手で運ぶことが、「美徳」みたいなところもありまして、

 

当然ですが、

腰痛が職業病

という感じでした。

 

会社から「2箱から台車を使うことを徹底せよ」という指示が出ていましたが、定着するまでなかなかの時間を要しましたね。

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