パチンコ屋さんの景品買取所うんちく その5「三店方式」
元パチンコ店員、元パチンコ店店長、元パチンコ店運営会社の部長という経歴の行政書士である私が、気が向いたときにパチンコ店の裏話的なことを書くコーナーです。
画像の選択があまりよろしくなかったかもしれません。
今回は、「パチンコ店と景品買取場の関係性」について書いていきます。
前回も同じことを書いていますが、
第2回(こちら→■)では、パチンコやパチスロが賭博にならないように、いろいろな制度設計がなされている、というお話しをしました。
パチンコ店が「お客さんの出玉の数」に応じて賞品(景品のこと)を提供しますが、その提供した賞品を後で自ら買い取ってしまう、つまりは現金化してしまうと、これはもう賭博と同じ結果になってしまいますから、風適法で禁止されています。
また、ほとんどの都道府県では、条例で「営業者は、客に提供した賞品を買い取らせないこと」と規定しており、自ら買い取るだけでなく、他社を使役して買取行為をさせることも禁止しています。
(どういうわけか、大阪府と愛知県だけ、この「買い取らせ禁止」がありません。なぜ?)
というわけで、パチンコ店と景品買取所(というリサイクルショップ)は、完全に無関係な別々の人が経営しているというだけでなく、直接的な取引関係があってはいけないというタテマエになっています。
このタテマエを実現たらしめるために、パチンコ業界の先人達が生み出したのが「三店方式」というものです。
パチンコ店は、景品卸売業者から特殊景品を購入し、代金を払う。
パチンコ店は、購入した特殊景品を出玉に応じて遊技客に提供する。
遊技客は、獲得した特殊景品を景品買取所に持って行く。
景品買取所は、遊技客の持って来た特殊景品を買い取って、現金を渡す。
景品卸売業者は、景品買取所から特殊景品を仕入れ、代金を払う。
本当は、パチンコ店が出玉に応じて遊技客に現金を渡せればいいのだけれど、それができないので、その役割を景品買取所に担ってもらう。
ところが、パチンコ店と景品買取所が直接つながっていると、「パチンコ店が景品買取所を使役して買取をさせている」ことになってしまう。
そうならないように、パチンコ店と景品買取所の間で、特殊景品と現金を交換させるための登場人物として、景品卸売業者を登場させた。
こうすることで、パチンコ店と景品買取所の間に、直接的な取引関係を持たせることなく、遊技客に特殊景品を現金化させる(表面的に)合法的な仕組みを完成させたのです。
これを、三店方式と呼び、今日のパチンコ業界の大きな基盤となっている仕組みです。
パチンコ店営業は、こんなにもタテマエ、というか「屁理屈」の上で成り立っている、不安定な存在なんです。
この三店方式だって、「こうだからパチンコの換金は合法なんだ!」と言うには、あまりにも「屁理屈の域を出ない」程度のものです。
次回、次々回は、「三店方式の実態(のオモテ)」と「三店方式の実態(のウラ)」というテーマで書いてみようと思います。