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民泊と消防、実際にあったトラブル。「マンションの消防設備点検でのあるある」

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今日は、私が民泊の事前調査中に体験した「こんなことあるんだな」という問題事例の一つをあげてみようと思います。

 

マンションの一室での特区民泊、というパターンでした。
このパターンはよくあるケースで、「民泊事業をやってもいいですよ」と言ってくれる賃貸マンションの所有者から、一室(あるいは複数の部屋)を借りて民泊をするスタイルです。

 

マンションの所有者が、消防法に疎く、設備の定期点検や避難訓練など、いろいろなことをきちんとしてくれていないと、手続き屋としてはなかなか厄介だったりします。
「きちんとする」にはお金がかかるものです。
「民泊をしたい人に貸せば、普通に住む人より高い家賃が取れる」という理由だけで民泊事業者に部屋を貸すと、高くとった家賃以上に「きちんとするために必要な経費」がかかってしまって、がっかりする大家さんもいるんじゃないでしょうか?

 

今日お話したいのは、このような「きちんとしていない大家さん」ではなく、「きちんとした大家さん」のケースです。

「きちんとされている」ので、当然、消防設備の定期点検も業者さんに依頼してきちんとされている。
だったら何の問題もなく手続きを進められると思うじゃないですか。

ところが。
消防署に事前相談に行くと、「設備の点検ができていませんね」と言われる。
おかしいな。
事実、最近設備点検が行われ、業者さんは消防署に報告を提出している。
なのに、なぜダメ?

 

マンションの消防設備点検でよくあるやり方は、次のようなやり方です。
掲示板やポスティングで「*月*日**時頃に、消防設備業者が点検のために訪問しますので、ご在宅の際はご協力ください。」とお知らせする。
その日、その時間に業者さんが順番に各戸を訪問し、部屋の中の火災報知機を点検して回るわけです。

ところが、住んでいる人の中には、「対応したくない人」や「出かけて不在の人」がどうしてもいます。
全員の都合を合わせることや、点検への協力を強制することは現実的ではないので、集合住宅の場合「できるだけ全部点検しようとしたけど、ちょっとだけできませんでした」となってしまいます。
消防署も「絶対全部点検しろ」というのが難しいことを理解していますので、「しかたないね」とみてくれるケースが多いです。

しかし。
これは「人が住んでいる場合」に「しかたないね」ということであって、事業用の部屋は「点検できない理由はないでしょ」ということになる。

 

今回、「ダメ」と言われたのは、マンションの中で「民泊をしたいその部屋」だけ、当時の住人が不在で点検できなかったんですね。
その部屋だけ「点検をスルーしました」と、点検結果報告書に書いてある。
となれば消防署としては「民泊を始める前に、その部屋だけ点検して、結果を報告してね」と言うのは当然のこと、というわけです。

 

まあ、このケースは「その部屋の点検だけをすればいい」ということなので、追加費用は数万円程度ですから、大きな負担ではないのですけれど・・・。
事業者さんからすれば、想定していない経費、ということになりますから、あまり気持ちのいいものではないですね。

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