1. TOP
  2. とある行政書士の日常ブログ
  3. 本当にあった、民泊の怖い話 その1

本当にあった、民泊の怖い話 その1

ある人が、民泊事業をするために、1棟のビルを購入しました。

そのビルは、そのままでは民泊として使うには不向きだったので、結構大掛かりなリフォームをすることになりました。

もちろん、自分ではリフォーム工事をすることなんてできないので、ある工務店さんに相談しました。

工務店さんは「あーはいはい」みたいな感じで、割と簡単に見積もりを作ってくれて、安かったのでそのままリフォーム工事をお願いしました。

工事代金は全額先払いということなので、数千万円を支払いました。

順調に工事はを進み、良い感じのお部屋が10戸できました。

 

民泊をするために必要な消防設備の設置工事も終わり、消防署の検査を受けることになりました。

 

消防署職員「ここにあったはずの鉄扉はどこに行ったの?」

工 務 店「間仕切壁の位置を変えるのに邪魔だったので、外して捨てました。」

消防署職員「ダメやん。竪穴区画ってわかります?わからないですか?とにかくこの場所に鉄扉が必要だから、つけてくれないと消防としては看過できません。」

工 務 店「つまり鉄扉を取り付けないと民泊できないってこと?」

消防署職員「そうです。鉄扉が復活したら声かけて下さい。もう一回検査に来ますから。」

 

工務店さんは困りました。

こんなことになるとは思っていなかったので、安く見積もりをしてしまいました。

実はスムーズに進んでいたように見えた工事ですが、計画が不十分だったことが原因で、経費がかさみ、この工事は利益が見込めない状況に陥っていました。

工 務 店(今から鉄扉を発注したら、完全に赤字になる・・・・。もうこの工事は完成させる意味がない・・・・。)

 

 

 

 

 

工 務 店(・・・・・工事を放置して逃げよう。)

 

かくして、この工務店とは連絡がつかなくなりました。

ビルのオーナーさんは、この問題のリカバリーを図るべく、今頃になって行政書士を探すのです。

 

私「いや、この状況で呼ばれたって、何もできませんよ。鉄扉付けないと。」←今ココ

 

工務店には工事代を全額先払いしている。(何なら追加費用も払っている。)

工務店は下請業者に一銭も払っていない。

工事は終わっていないし、例の鉄扉を取り付ける必要もある。

下請業者はお金をもらえないので工事を完成させる理由がないし、鉄扉を取り付ける理由もない。

何なら工務店が払っていないお金を払ってほしいと言ってくる。

 

どうなるんですかね?これ。

\ SNSでシェアしよう! /

とりもと行政法務事務所-中小企業の「社外法務部」・身近な法務相談役の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

とりもと行政法務事務所-中小企業の「社外法務部」・身近な法務相談役の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • 大阪市で民泊をしたい方向け「おさらい」その3

  • 北新地のビル火災、民泊事業や風俗営業も無関係ではないですよ。

  • 京都市において旅館業許可(簡易宿所含む)で民泊事業を営むのは、もう現実的じゃないな、という話。

  • 住宅宿泊事業 地域別条例ピックアップ「京都府」

  • 住宅宿泊事業のできる場所、できない場所 その1「大阪市の場合」

  • 宿泊事業の許可等手続きの特殊性 その2