パチンコ屋さん時代の思い出 その22
元パチンコ店員、元パチンコ店店長、元パチンコ店運営会社の部長という経歴の行政書士である私が、気が向いたときにパチンコ店の裏話的なことを書くコーナーです。
今日は真面目に思い出話をしようと思います。
テーマは・・・・あえて言うなら「キャリアについて」ですかね。
新卒社員としてパチンコ店を営む企業に就職した私は、会社も成長局面にあったこともあり、トントン拍子に昇格していきました。
入社5年で店舗責任者に、10年で営業課長になりました。
この間、色々なことはありましたが、おおむね順風満帆でしたね。
で、入社10年のこの頃、30歳になったこともあり、ふとした疑問というか、ふんわりした不安が出てきたんです。
「社内ではそれなりに偉くなった。でも、自分はこの会社のことしか知らない。」
パチンコ業界は、閉鎖的な業界です。
同業者間の交流は、経営者レベルが個人的に行う程度。
従業員レベルについては、どこの会社も「社内のことを外に出してはダメ」という感じで、ほとんどありませんでした。
会社に不満はありませんでしたから、転職をしたいわけではない。でも、他の会社のことは知りたい。
閉鎖的なこの業界の中で、どうしたらそれができるのかなぁ、なんて思っていたところに・・・・。
ヘッドハンティングの会社から連絡があったんです。「同業の会社でもっと上を目指しませんか」的な。
「これだ!」と思いましたね。
ヘッドハンターさんに「今の会社を辞める気はないこと」「でも他の会社は見てみたいこと」をお伝えした上で、いろんな会社に連れて行ってもらいました。
京都、愛知、岡山・・・。
この時は、同業他社の経営者の方と話すことができて、本当に勉強になりました。
また、たくさんの会社から「是非来てほしい」と言われて「でへへ・・・」と思いましたね、「自分の力は他社でも通用するんだな」と。
まあそれでも、この時は「自分の勉強のため」だったので、一定のところで「これにて終了」とさせてもらいました。
で。
この後3年くらい経つと、私は社内で落ち目になっていくんですね。
強力な競合店の登場をきっかけに、会社は、営業的な外的環境の変化に対応するため、急激な変化を求めました。
特に営業部門は「既成概念」をぶっ壊す必要があったので大変でした。
結果的に、この頃の課長クラスは結構な人数が退職しています。
私もその一人になるかもしれませんでしたが・・・・辞めませんでした。
いや、辞めれなかった、が正しい表現です。
「既成概念ぶっ壊し」の最中、私はヘッドハンターさんに連絡を取ります。
自分が移れる会社はないか?
もう一度いろんな会社を訪問しました。
しかし、この時のお返事は、
「(わざわざ会いに来たのは)時間の無駄だった」
「彼はウチに来させたらダメ」
「今の会社でできることを探したほうがいいんじゃないか」
という、惨憺たるものでした。
私は、見誤ったんですね。
「世の中」と「自分の会社」と「自分」の成長速度の違いを。
そして「自分のキャリア」すなわち「市場から見た客観的な価値」も見誤りました。
だから、私は、出て行く先がないから、会社に残るしかなかった。
(1000字超えたので、来週に続きます。)