民泊の手続きで直面する消防分野の専門用語を超簡単に解説④
ご注意:「超簡単」にこだわったので、表現に厳密性を欠いているおそれがあります。
(正しい知識を得たい方は、消防署、消防設備業者、消防設備士など、ちゃんとしたところにお尋ねください。)
用途(ようと)
消防法施行令 別表第1「防火対象物の用途区分」のこと?
その建物、または建物の一部分が、どのような使い方をされているか、を表すもの。
建築基準法上の「用途」とは別物なので要注意。
用途によって、消防設備の設置基準や防火管理者選任の要否、行うべき消防訓練の頻度など、様々なルールが変わります。
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(5)イ・5項イ(ごこうい)
消防法施行令 別表第1のうち、旅館、ホテル、宿泊所などの施設を指す。
ホテル・旅館、簡易宿所、特区民泊、家主不在型の住宅宿泊事業がこれに該当します。
早い話が、「その日たった1日だけの利用者が寝泊まりをする」施設です。
火事が起こった時には、すみやかに避難することが難しいと考えられるので、比較的厳しい取り扱いとなります。
ちなみに、家主同居型の住宅宿泊事業は、一般住宅扱いということで、5項イどころか防火対象物にも該当しません。別表1に載っていないので。
特定防火対象物(後述)。
(5)ロ・5項ロ(ごこうろ)
消防法施行令 別表第1のうち、マンションやアパート等の共同住宅、下宿、寄宿舎などの施設を指す。
5項イと違って「住み慣れた、それなりの人数の人が寝泊まりをする」施設なので、5項イほど厳しい取り扱いではない。
だからこそ、マンション等を民泊利用する場合は、取り扱いの厳しさがジャンプアップしてしまうことになるので、要注意。
特定防火対象物ではない。
特定防火対象物(とくていぼうかたいしょうぶつ)
特定用途(とくていようと)
消防法施行令 別表第1の1項イから20項までのうち、「消防的にはちょっとあぶないかもね」とされている施設、用途部分を指す。
ちょっとあぶないので、取り扱いもちょっと厳しい(ちょっとではない)。
重ねて申し上げますが、建築基準法上の「特定用途」とは別物。
(16)イ・16項イ(じゅうろっこうい)
イメージでお伝えすると、雑居ビルのように「いろいろな用途が混在している建物」で、かつ、「その一部に特定用途が含まれている建物」のこと。
1階は飲食店(3項ロ)、2階はキャバクラ(2項イ)、3階は事務所(15項)というような感じ。
この例だと、飲食店とキャバクラが特定用途なので、建物全体としては「特定防火対象物が存する複合用途防火対象物(16項イ)」となります。
マンションは5項ロですが、そこに民泊(5項イ)が1室でも入ると、上と同じ取り扱いとなります。(注:例外や特例があります。)