特定記録って何?
先日、「内容証明郵便」についてご説明しました。(こちら→■)
「差出人の重要な意思表示について書いたお手紙について、受取人にばっくれられることがないようにする郵便方法である」
というような説明をしたのですが・・・・・。
残念ながら、内容証明郵便は「これさえ使っておけば間違いなし」というほど、便利で万能なものではありません。
例えば、郵便配達人が手渡しのために「ピンポーン」と押して、相手が出てきたのだけど「嫌だ」と言って受け取らなかった場合。
この場合は「受取拒否」ということで、相手は手紙の内容を見ていませんが、法的には「見た」ということになります。
対して、郵便配達人が手渡しのために「ピンポーン」と押したけれど、誰も出てこない、不在票をポストに入れたが、7日間経過しても受け取りに来ない場合。
この場合は「相手方が受け取ることができなかった」ということになり、当然「見た」ことにはなりません。
それが仮に居留守を使って受け取らなかったとしても、です。
このような場合、対応方法がいくつかあります。
①特定記録で送りなおす。
特定記録は、手紙を送ったこと、その手紙が受取人の郵便受けに入ったことを記録する郵便サービスです。
手渡しではなく、郵便受けに入れるので、基本的には受取人に届きますし、届いた記録が残ります。
ただし、内容を証明するものではないので、証拠能力は低くなります。
②直接持参する。
ある意味直接的な証拠作りと言えましょう。
書面の受け取りを拒否する場合に備えて、「証人同行の上、口頭申述」という準備が必要かもしれません。
③公示送達
裁判所の掲示板に手紙の内容を掲示することによって「手紙が届いたもの」とする方法です。
もちろん、裁判所が認めなければなりませんし、事情によらず、簡単に公示送達をしてくれるわけではありません。
内容証明を送る具体的な目的によりますが、「とにかく相手が手紙の内容を見てくれることが重要」ということであれば、特定記録を使うことが現実的な対応になるのかもしれません。