パーキングチケットの話　その１

中国戦国時代の思想家韓非子は、「誠に過ちあらば、近愛と雖も必ず誅す」と述べ、三国志の諸葛孔明は、軍略上のミスを犯したことを理由に、泣いて馬謖を斬りました。
これは、権力者のお気に入りといえども、罪を犯せば、必ず定められた罰を受けるべきであるという精神を表現したものであると解されています。
この考え方は、何が犯罪でそれに相応しい刑罰は何かを客観的なルール、つまり法で定めておくことを前提としており、その限りで、近代的な罪刑法定主義と共通する部分をもっています。
その意味で、これは、罪と罰をそのときどきの為政者・権力者の判断に委ねる「人の支配」（＝「人治主義」）ではなく、罪と罰を客観的なルール、つまり法に委ねる「法の支配」（＝「法治主義」）の考え方です。

2010年9月20日松宮孝明教授による南京大学講演「罪刑法定の原則と刑法の解釈」より引用

つまり、法治主義国家である日本において、罪はすべて法に定められているので、これを知らなかったというのは、罪を逃れるための何の言い訳にもならないということなんですよ。

ある日、車で某役所に向かいまして、数分では終わらないけれど、１時間もかからない用事だったので、

お金を払って路上に車を止めれるところを利用したんですね。

すると、他の車が白線で囲ってある駐車スペースからはみ出て駐車をしていたので、私は車を枠の中に収めることができませんでした。
はみ出して止まっている車には運転手が乗っていましたので、一言文句注意してやろうかとも思いましたが、つまらぬことでケンカになるのもバカバカしいので、さっさと用事を済まそうと思い、そのまま役所に向かいました。

もうお分かりですね？

用事を済ませて帰ってくると、車にはあの黄色いシールが貼ってあったのです。

知らなかったんですよ、私。
あの四角の中に車を止めないといけなかったんですね。
知ってたら、例の車の運転手に注意して動かしてもらっていたわけです。

悔しい・・・・。

条文押さえておきますね。

道路交通法
第４９条の３（時間制限駐車区間における駐車の方法等）
３　車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分及び方法でなければ、駐車してはならない。